こんにちは、株式会社Key-Performanceの井畑です。
今回はロジックツリーの書き方の手順をご紹介します。
ロジックツリーの基本について詳しく知りたい方はこちらをごらんください↓
「【実践で使える】ロジックツリーを10倍うまく作るノウハウ【簡潔化】」
まずはロジックツリー作成のための「3つの基本」と「7つのポイント」を確認しましょう!!
ロジックツリー作成のための「3つの基本」
ロジックツリーを作るときには常にこの3つの基本を確認して下さい。
①各レベルができるだけMECEか??
②ツリーの右側ができるだけ具体的な原因や解決策になっているか??
③具体的な原因や解決策がロジックの因果関係で主題課題にリンクしているか??
ロジックツリー作成の「7つのポイント」
次に、「3つの約束」を守るのに役立つ「7つのポイント」をご紹介します。
①まずは書き出す
②右に行くにしたがって概念的なものから具体的なものへ
③もしモレがありそうだったら???にする
④既存の枠に入らなければ、とりあえず新しい枠を作る
⑤それぞれの因果のロジックをチェックする
⑥自分以外の何人かの人にチェックしてもらう
⑦一番右側が「具体的な原因」もしくは「具体的な実行策」になっているか確認
では、この「3つの基本」と「7つのポイント」を守りながら、実際にロジックツリーを作ってみましょう。
※作成にはPCソフトを使うことをオススメします!簡単に修正が効きますし、他の人にチェックしてもらうときにも便利です。ちなみに私は「Xmind」というソフトを使っています。
ロジックツリー作成の手順
それでは、「学校の成績をあげるためにはどうしたらいいか?」という問題の解決策を例に考えていきます。
①たたき台を作る
まずは不完全でいいので、たたき台を作ってみましょう。「MECEになってるかな??」とか「論理はおかしくないかな」とかはあとでしっかり検証するので、まずはパパっと作ることが大切です。ここにはあまり時間をかけないで下さい。
②とりあえず???の箱を作っておく
「まだMECEになっていないと感じるけれど、具体的に何が入るか思い浮かばない」部分はとりあえず「???」という箱を作っておきましょう。
③ブレインストーミングを行う
もう自分では発想が広がらないなと思ったら複数人でブレストを行います。
ブレストを行う人は同じ課題を持った人(同じチームの人)だけでなく、その課題とは全く関係ない人も混ざっていた方がいいです。
同じ課題を持った人というのは、同じ思考の枠にはまりがちです。ブレストの目的は「思考の枠」や「無意識の前提」に気がつくことなので、できるだけ「異なる枠や前提を持った人」と一緒に行いましょう。
今回の例では、ブレストを行った結果以下のような新しい発想が出てきました。
ブレストの結果、今までは「成績=テストの点」という考えの枠から「成績=テストの点+内申点」というより広い枠に気がつく事が出来ました。
ブレストをするときのポイントですが、言葉による「明確な境界線」を引くことを意識して下さい。それぞれの「境界線」が明確であればあるほど、その「枠」の外にあるものにも気が付きやすいです。
さらにブレストを繰り返していくことで、最終的にこのロジックツリーはこのような状態になりました。
どうでしょうか??最初の状態がこれです。
まったく別物ですね。ブレストによって「思考の枠」を取り払いながら、言葉によって生まれる「明確な境界線」を意識するとここまで発想を広げる事が出来ました。
④因果関係が成り立っているかどうかをチェック
ロジックツリーがMECEになったと感じたら、右側の解決策がロジックの因果関係で主題課題に繋がっているかをチェックします。
基本的に直接繋がっているもの同士が因果関係で結ばれているなら、何段階上流に上がっても因果関係で結ばれているはずです。
⑤優先順位をつけて「何を実行するのか」を確認
最後に、一番右側に上がった「具体的解決策」の中で優先順位をつけ、実行していきます。
ここで気をつけなければいけない事が2つ。
まず1つ目は、どんなにロジックツリーがしっかり出来ていても、実行しなければ何も変わらないということです。当たり前のことですが、実行が一番難しく、問題を解決出来る手段は実行だけです。確実に解決策を実行しましょう。
2つ目は、解決策を1つ実行したからといって、必ずしも問題は解決しないということです。
ロジックツリーによって行ったのは問題の分解です。なので1つ1つの解決策は、その問題の1部分を解決しているに過ぎません。
通常は優先順位をつけ、影響力の大きいものから順に複数の具体的解決策を実行します。(稀に、1つの要素だけが全体を支配している場合があります。そういう場合には1つを実行するだけでも問題解決になります。)
ちなみに、理想は「すべての解決策を実行する」ですが、限られた時間と資源では必ず何かを優先させなければいけません。「選択と集中」が非常に重要になってきます。
最後に………このロジックツリーの最大の問題に気が付きましたか??
では、もう一度完成したロジックツリーを見て下さい。
気が付かれましたか??
文字が小さくてわかりにくかったかもしれませんが、この一番右にある「具体的解決策」は、実は全く【具体的】解決策になっていないんです。
【具体的】とは、「行動(方法)」「期日(期間)」「達成目標(数値・内容)」がはっきりしている状態です。
この3つを満たしている解決策がこのロジックツリーにありますか??
実は、この問題は非常に根本的なところから発生しています。
「学校の成績を上げるためにはどうしたらいいか?」
この問題設定は「行動(方法)」「期日(期間)」「達成目標(数値・内容)」ははっきりしていますか??
そうです。最初に設定する問題設定が具体的でないと、どんなにロジックツリーを駆使しても具体的解決方法は出てこないのです。
さらに、仮に最初に設定した問題が具体的だったとしても、その問題が「解決するに値しない」問題だったら、そこにかけた時間と資源はムダになりますよね??
と、いうことで次は「解決に値すべき問題をどのようにして見つけるか」をご紹介します。
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