ドーパミンを支配してモチベーションを維持し続ける方法【脳内物質制御術】

こんにちは、脳内物質の勉強が大好き、井畑です。

 

僕たちが自分のPerformanceを引き出そうと思ったら、まず自分の体や脳みそがどんな仕組みは機能しているかを知ることが必要です。

 

かの有名な「孫子」にもこう書かれています。

彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず。

詳しい解説はこちらの記事をご覧下さい。

今回の記事では、僕らが仕事をする上で超重要な「モチベーション」に影響を与える「ドーパミン」という物質の性質と、活用の仕方をご紹介します!

ドーパミンとは?

ドーパミンとは、「幸せを感じる脳内物質」です。脳みそは「ドーパミン」が分泌された時に幸せを感じるように出来ています。

ちなみに
お酒・タバコ・セックスで幸せな気分になるのは、これらの行為にドーパミンを分泌する作用があるからです。

他にも、記憶力や情報処理能力にも影響を与える脳内物質です。

生理学の視点から見るドーパミン

ドーパミンは中脳の腹側被蓋部にあるA10神経核で作られ、その後次の2つの経路で脳内に分泌されます。

①海馬などのある大脳辺縁系に投射する「中脳辺縁系」
②前頭葉や側頭葉に投射する「中脳皮質系」

 

【ドーパミンの働き】

①「ワーキングメモリ」との関わり

ドーパミンが中脳皮質前頭葉のワーキングメモリ(作業記憶)に作用して、情報処理・注意・集中力・計画性などにポジティブな影響を与えます。

他にも、海馬・側頭葉に作用すると、学習・記憶力が上がるとも言われています。なので、ドーパミンが分泌された状態だと物覚えがよくなります。

エロエロ英文法
僕が高校生の時の英語の先生が、このドーパミンの効果を上手く活用した「エロエロ英文法」という勉強方法を提唱していました。海外のアダルトサイトにアクセスし、写真や動画を見るために一生懸命単語や文法を調べ、やっとのことでたどり着いた時にはアダルト要素でドーパミンが大量に分泌され、英語が定着するとのことでした。教育的にどうかとは思いますが、非常に利に適ってますよね。


ちなみに、この中脳皮質前頭葉のドーパミン受容体が機能異常になると統合失調症になるのではないかと言われています。(感情の平板化・自発性低下)

※まだ決定的な原因とは特定出来ていないため、あくまで仮説です。

②快感 「報酬系」

大脳辺縁系の側坐核と呼ばれる部分が活性化すると、ドーパミンが即座に分泌され、快感を感じます。
また、快感と行動が結びつき、すぐに次の快感を得ようと行動をする意欲になるため、モチベーションにも繋がります。

こんな風に、側坐核は「」の感覚を与えるため、報酬系と呼ばれます。

ドーパミンによりモチベーションを維持し続ける仕組み

先程説明した通り、大脳辺縁系の側坐核が活性化すると、ドーパミンが分泌されて快感を覚えます。

さらに、側坐核は「報酬をもたらす刺激」によって活性化するように出来ています。

例えば、仕事で人に褒められたとします。褒められることは脳にとって嬉しい刺激、つまりは「報酬」なので、側坐核が活性化してドーパミンを分泌し、「快感」を得ます。ここで「行動」と「快感」がより密接に結びついていきます。

そしてここからが側坐核のすごいところ。「この行動をしたら報酬を貰える!」というワクワク感に反応してドーパミンを分泌するんです。

当然ドーパミンが分泌されるとやる気になるので、目標を達成する可能性は上がります。そして、無事に目標を達成出来たときにドーパミンが分泌され、「行動」と「快感」の繋がりはますます強化されていきます。

図にするとこんな感じですね。



この図のように、側坐核とドーパミンの快感を得るシステムのおかげで、人間はどんどん「次の高い目標」を求めるようになります。つまり勝手に「成長を求めるシステム」が組み込まれているんですね。

より高い自分・文明へと進化するために不可欠な脳内システムです。

僕らの脳に何らかの機能異常が生じていない限りこの報酬系のサイクルは機能するので、これを上手く活用することがモチベーションを持続的に維持するコツになります。

ちなみに
この、脳が行動とドーパミン分泌を関連付けて、その関連度合いをどんどん強化していくことを「ドーパミンの強化学習」といいます。

 

報酬系を活用したモチベーション向上術

ドーパミンの分泌を利用してモチベーションを上げるには「目標の設定」「目標の細分化」「達成のご褒美」「次の目標の設定」を上手にやって行くことが重要です。

目標の設定

まずは「○○を達成する」という明確な目標を設定して下さい。

ここでポイントなのは、「低すぎず、高すぎず、さらにある程度何が起こるか分からない目標」にすることが大切です。

依存症の研究からも、脳は以下の要素が盛り込まれていると興奮状態を継続し、のめり込んで行くことが分かっています。

  1. ちょっと手を伸ばせば届きそうな魅力的な目標があること
  2. 抵抗しづらく、また予測できないランダムな頻度で報われる感覚があること
  3. 段階的に進歩・向上していく感覚があること
  4. 徐々に難易度がましていくタスクがあること
  5. 解消したいが解消されない緊張感があること

なので「低すぎず、高すぎず、さらにある程度何が起こるか分からない目標」を設定することで、脳に常に刺激を与えることが出来ます。

目標の細分化

大きな目標を設定したら、その目標をさらに小さな目標に分解して行きましょう。

小さな目標に分割することで、「達成の快感」と「次の達成へのワクワク」の数を増やすことが出来ます

例えばダイエットの最終目標が「1年で12Kg痩せる」だったら、「1月はまず500g落とす」「2月は更に700g落とす」といった具合です。

目標の細分化はやり抜く力にも繋がる
目標を細分化してドーパミンの分泌の回数を増やすことは、途中で挫折することなく最終目標へ到達出来る可能性を高くすることにも繋がります。なので目標の細分化は「やり抜く力(GRIT)」を向上させる方法としても活用されています。

 

達成のご褒美

目標を達成するたびに、大いに喜んだり、自分にご褒美をあげることが大切です。

喜んだりご褒美をもらうことは、脳にとって「快感」なので、より「行動」と「快感」の結びつきが強くなり、次の目標に向けてのモチベーションがアップします。

さらに、目標を達成した際に他者から褒めてもらえるような仕掛けをしておくとより効果的です。人間の脳は褒められることが大好物みたいですからね。

 

次の目標の設定

細分化した目標を次々にクリアし、最終目標を達成したら、その喜びが残っているうちに次の「もっと高い目標」を設定しましょう。

喜びが新しいうちに目標を設定することで、より効率的に「ドーパミンの強化学習」が行われ、モチベーションの向上に繋がります。

 

補足:ルーティンワークでモチベーションを上げる方法

今ご紹介した方法、多くの人は「スポーツの記録」とか「テストの成績」とか「ダイエットの成果」とかの、「成果がどんどん向上していく」タイプの目標だと思います。

では、日常のルーティンワーク、例えば「洗濯」なんかの目標設定はどうすればいいでしょうか?

ルーティンワークの場合でも、「洗濯にかけた時間」とか「洗濯物に残ったシワの数」とか「更新可能な目標」を自分で設定して上げることでドーパミンの強化学習のサイクルを機能させることができます

 

むしろ、「やり抜く力(GRIT)」が強い人は、この「更新可能な目標」を設定することが上手い人と言い換えることが出来ますね。

まとめ

いかがでしたか?

普通の人の日常生活は、色々なタスクを次々にこなすことで成り立っています。

その何気ない日常も、ドーパミンの分泌サイクルを意識した目標設定を行うことで、常にモチベーションの高い状態に変えることが出来ます。

どうか皆さんもドーパミンをガンガン分泌させて、モチベーションの高い日常を送って下さい!

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