プロダクト・ポートフォリオ分析で将来を見通す【BCGマトリクス】

 

こんにちは、井畑です。
 
今回はプロダクト・ポートフォリオ・マトリクスというものを使った自社事業の将来性の分析方法をご紹介します。
 
このマトリクスはボストン・コンサルティング・グループ(以下BCG)が考案したことから「BCGマトリクス」とも呼ばれます。(「成長・シェアマトリクス」とも呼ばれます。呼び方色々ですね。)
 
「相対的市場シェア」と「市場成長率」によって2✕2で作られる非常にシンプルなマトリクスなのですが、シンプルであるがゆえに強力。
 
経営者に非常に明確な視点を与え、経営判断を簡潔化します。
 
と、言うことで早速本題にいきましょう!!
 
 

プロダクト・ポートフォリオ・マトリクスとは??

 

 
プロダクト・ポートフォリオ・マトリクスとは、このように自社の事業を「相対的市場シェア」と「市場成長率」という2つの軸によって分類するフレームワークです。
 
相対的市場シェアの求め方はこちら
 
市場成長率の求め方はこちら
 
 
市場成長率・シェアともに高い事業は「スター(花形)」と呼ばれます。市場の成長とともに将来の大きなキャシュエンジンになる可能性があります。この分野の成長が企業存続の鍵になる場合が多いので、集中的に資本を投下すべきところです。
 
シェアは高いけれども市場成長率が低い事業は「金のなる木」と呼ばれます。この事業は多くのキャシュを産み、企業の骨組みとなっている事業です。しかし、市場自体の成長速度が遅い、もしくは衰退方向に向かっているため、この分野の事業に頼っていると将来的に市場の衰退とともに企業そのものが衰退していく危険性があります。そこで、「金のなる木」で得たキャッシュを「スター」や後述する「問題児」に投資し、次なる「金のなる木」を育てる事が重要です。
 
市場成長率は高いのにも関わらず、シェアの低い事業を「問題児」と呼びます。「問題児」はシェアを伸ばせば「スター」になる可能性を秘めており、企業としては非常に大切に扱う必要があります。しかし、すでに「スター」事業が存在する場合、最優先で投資するのは「スター」で、「問題児」には選択的に投資を行っていく必要があります
(「スター」事業が存在しない場合には「問題児」に資本を集中投下し、いち早く「スター」に育て上げる必要があります。)
 
市場成長率も低くシェアも低い事業は「負け犬」と呼ばれます。一般的には早急に撤退すべき分野です。ただし、この分野に入っている事業の中でも、価値提供の仕方を変える事で輝き出すものが存在します。その分野が「自社にしかない技術を使っている」だとか「創業以来ずっと続けてきた、思い入れのある事業」であった場合には再検討の余地があります。
 
 
まとめるとこんな図になります。

 
 

プロダクト・ポートフォリオ・マトリクスの優れている点

 

①絵として事業全体を俯瞰出来る

自社の事業の状態を絵として把握でき、また「どの事業からどの事業へお金を流せばよいか」も直感的に理解出来るため、経営判断を簡潔化出来るだけでなく、意思の疎通も容易になりました。
 

②事業の位置づけを【数値】で分析出来る

 
「相対市場シェア」と「市場成長率」は、どちらもはっきりとした【数値】で求めることが出来ます。そのため、感覚に流される事なく、客観的で正確な分析が行えるようになりました。
 

実は「ポジショニング」✕「マーケティング」での分析

 
プロダクト・ポートフォリオ・マトリクスで使う「相対的市場シェア」は、極端にいうと「自社のマーケティングがその市場の中でどれだけ優れているか」を表した指標です。
 
また「市場成長率」は「その事業のポジション取りがどれだけうまかったか」を表しています。
 
つまり、プロダクト・ポートフォリオ・マトリクスとは「ポジショニング」✕「マーケティング」という視点で自社の事業を整理するために使われるものなのです。
 
 

まとめ

 
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントを使うことで、自社の事業を【数値】を使い【直感的】に分類出来る。また、事業間でのお金の流れをはっきりと認識出来る。
 
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