こんにちは、株式会社Key-Performanceの井畑です。
今回から、スタートアップがどんな流れで成功へと進んでいくかを書いていきます。
初回は「スタートアップの開始地点」についての話です。
どんなスタートアップでも必ず開始地点は一緒。起業家の「これがやりたい!!」という強い想いがその始まりです。
あなたの想いはどんなものですか??
スタートアップを起こすときの動機は人それぞれだと想います。
自分の中でどうしても解決したい問題のある人。(飢餓や温暖化、自分の地域の過疎化など)
自分の能力を最大限に活かしたい人。(アーティストやプログラマー、ネイリストなど)
単純に会社に務めるのが嫌いな人。(塾講師が会社を辞めて独立するなど)
スタートアップを起こすときには「これがやりたい!!」という強い想いが原動力になります。スタートアップは困難の連続です。目の前に振りかかる問題に次々に対応し、自分の目指した未来へ向かって突き進んで行くためには、どんなことが起こっても折れない強い気持ちが必要です。
この気持が最も高まった時には、「目的を達成する以外、自分の中に選択肢がない」状態になります。
例えば、自分のうちのリビングでくつろいでいる時に突然家が燃え出したとします。火の勢いがものすごく強く、すぐに家の外に出なければ死んでしまう状態です。この時のあなたの目標は「家を出る」ということです。でなければ死んでしまいますから。そんなときにあなたの幼い娘が「私はお家が大好きだから家から出ない!!」とダダをこねたとします。あなたの選択肢は一つだけですよね??嫌がる娘を無理やり担いで家を出ます。娘がどんなに抵抗をしても関係ありません。あなたには「家を出る」以外、選択肢はないのですから。
この話のポイントは、「あなたの選択肢を一つにしたのはあなたの気持ち」だということです。もし死んでもいいというなら娘の気持ちを汲んで家に残ることもできたはずです。でも、あなたはそうしなかった。あなたの中では死ぬことは絶対に避けるべき問題であり、あなた自信がその他の選択肢を排除しました。
このようにスタートアップを起こすときには「目的を達成する以外、自分の中に選択肢がない」というくらいの強い気持ちがなければいけません。
気持ちだけでは失敗する!! 正しい製品ビジョンを持とう!!
さあ、ここからがスタートアップの難しいところです。
スタートアップを始めるのは簡単なことではありません。
今までの仕事も辞めて、借金もして、自分のすべてをかけて始める場合もあるでしょう。
でも、自分のすべてをかけた強い気持ちの持ち主たちが集まっているのに、ほとんどのスタートアップは成功の日を迎える前に潰れていきます。成功の日を迎えるどころか、自分の想いのこもった製品
(サービス)が一度もお客様の手に届かなかったケースもたくさんあります。
なぜなのでしょうか??
最大の問題は、起業家の「これがやりたい!!」と思う強い気持ち、つまり顧客の抱える問題やその解決方法はすべて「起業家の仮説でしかない」ということです。
もし起業家が解決したいと思っていた問題を抱えている人が、世の中に一人もいなかったら??
もし起業家がイノベーションだと思っていたことが、既存製品によって当たり前に達成されていたとしたら??
どんなに気持ちが強くても、買ってくれるお客様がいなければビジネスはなりたたないのです。
壁を乗り越える強い意志を持っていても、肝心の「壁が存在する道」がなかったら意味がありません。
だから、「これがやりたい!!」=「製品ビジョン(サービスビジョン)」の検証は致命的に大切なのです。
※顧客の存在が重要なことはこちらの記事で詳しく書いています。
効率のよい仮説の検証は「正しい製品ビジョンから」
まず、スタートアップを始めるときには、自分の「製品ビジョン」が顧客に受け入れられるものかどうかの検証が大切です。
具体的には…
・自分の解決しようとする問題は世の中に存在しているのか?(そして、その問題の解決を強く欲している人はいるのか)
・自分の製品(サービス)は、顧客の問題を解決出来るか?(そして、その方法は他社と被っていないか)
を中心に、自分たちの「製品ビジョン」を支える仮説を一つ一つ実証していきます。
この仮説の実証をしっかり行っていけば、どんなスタートアップでもいつかは必ず成功します。
(ようするに顧客が買ってくれる状態までひたすら製品(サービス)のコンセプトを改良し続け、売れる確証を得た状態で拡大していくんだから当たり前ですよね??)
問題は、その「いつか」を自分たちの寿命が尽きる前にもってこなければならないことです。20年も30年もお金の儲からないスタートアップなんかやってられませんよね??
なのでその「いつか」を5年、3年、1年、半年、3ヶ月………とどんどん手前にもってくるためには「正しい製品ビジョン」が必要不可欠です。
「正しい製品ビジョン」であれば仮説の検証に必要な時間と労力が大幅に削減できます。
では、その「正しい製品ビジョン」とはなんなのか。
次回はこれを説明します。
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