起業家の説明が「分かりにくい」と言われる時の2つの要素

説明が分かりやすい

自分で何か新しいことをやろうとしている人にとって、こんなに嬉しい言葉はありません。逆に、

説明が分かりにくい

こんなに絶望に叩き落される言葉もありません。自分の想いが伝わらず、自分のしようとしていることが否定された気になりますね

この記事では

  • 分かりにくい説明とは何か?
  • 分かりやすい説明にするために必要なことは何か?
  • 分かりやすい説明に落とし込むための具体的方法2選

をご説明します。

【わかりにくい説明とは何か?】

そもそも、説明がわかりにくいのって、

  • 前提条件が共有されていない
  • 言葉のルールが違う

の2つのどちらか(あるいは両方)に当てはまるんですね。

前提条件の共有

「これくらい知ってて当然でしょ?」「普通こうでしょ?」と思って話ハショってることってありませんか?前提が違えば同じ話を聞いても受け取り方は全然違います

例えば、「道の真ん中を堂々と歩いた」という文章について、その場所を「渋谷のど真ん中」と受け取るのか、「茨城の奥地」と受け取るのかで全然印象が違います

また、「信号無視をして堂々と歩いた」のか「車が来ないことが確認出来たから堂々と歩いた」のかでも全然違います。

基本的に情報を正しく伝えようと思ったら、「相手に解釈の自由を与える隙」を作った時点で負けです。

ちなみに
小説なんかは意図的に「解釈の自由」を与える場合があります。その方が一人ひとりの頭の中に「その人だけの物語」が出来上がって、面白さや愛着を上げる仕掛けになります。

言葉のルールが違う

あの人は東大出身だからきっと頭がいい

これはみなさん共感出来る文章ではないでしょうか?

あの人は茨城県民だからきっと納豆が好き

これも若干怪しいですが、まだセーフの範囲ですかね?

あの家は赤だから、きっとあの人はいちごが好き

もうギリギリのラインですね。では、次のはどうでしょう?

あの人は赤い服を着ているから、きっとキュウリが好き

はい、もう意味がわかりません。

僕らは物事を「原因」と「結果」の繋がりで見ることで「論理的思考」をしています。

この論理っていうのは、その人が生まれ育った環境での経験から、「何をしたら何が起こるか」を学習することで出来上がります。例えば「信号が赤なら止まる」も論理ですし、「女子に対して体型の話をしたら超嫌われるからやめておこう」とかも論理です。

だから、先程の例、一番・二番は日本で育った人ならすんなり通じます。三番目はかろうじて「いちごも赤いから、きっと赤繋がりでそう思ったんだろ」くらいに解釈してもらえるかもしれません。

でも四番目の説明はもう無理です。「なぜ赤だからキュウリが好きなのか?赤とキュウリになんの接点もないじゃないか?」となります。

じゃあこの四番目の文章が伝わるのはどんな時でしょうか?例えば「キュウリが大好きでキュウリの神様見たく呼ばれてる人が、赤い家に住んでいた物語」とかがあって、それを共有していれば、四番目の文章も「あぁ〜〜確かに!!」となるかもしれません。

長くなりましたが、要するに言葉の理解っていうのは「どんな論理のルールに当てはめているか」によって決まります。だから「同じ言葉のルール」を共有出来ていない場合には話が伝わりません。

分かりやすい説明にするために必要なことは何か?

では、分かりやすい説明にするために必要なことは何でしょうか?答えはとてもシンプルで、分かりにくい説明の要素をなくせばいいんです。

前提条件を共有する

分かりやすい説明の第一条件は「前提条件の共有」です。相手の頭の中に、自分が話したいことと同じイメージを浮かべるために必要な前提条件を漏らすことなく話ましょう。とはいえそんなに難しいことではありません。以下に上げる要素をしっかりと共有していればだいたいOKです。

出来事を説明する場合
  • 時間
  • 場所
  • 環境(天候・交通状況等)
  • 登場人物と登場人物間の関係性
  • その時の自分の気持
  • 前の場面からのつながり
やりたいことをプレゼンする場合
  • 私は誰か
  • やりたいことはどこでやるのか
  • 誰が関わっているのか
  • 何をやりたいのか
  • なぜやりたいのか
  • なぜそれが必要なのか

言葉のルールを共有する

言葉のルールを共有するのは以外と難しいです。というより、言葉のルールを共有出来ていない人はだいたい「自分の知っているルールこそが世の中の唯一のルール」だと思いこんでいる人ですね。

なので、言葉のルールを共有するためには常に「自分が使っている言葉のルール(論理)はみんなに伝わるものなのだろうか?」と意識をして見て下さい。

具体的方法2選

とはいえ、「分かりやすい説明をするために必要なこと」は分かっても、それを実践で使うとなると話は別です。なので最後に「こんな風に話をするととりあえずうまくいくよ!」な方法を2つご紹介します。

〈具体例(比喩)を出す〉

具体例は「前提条件の共有」「言葉のルールの共有」のどちらにもとても効果的です。

例えば、

最初は正義を貫こうと生きていたけど、身近な人の自分への評価が自分の能力に合わないと思い込み不満を募らせ、どんどん疑心暗鬼になり、最終的に裏切り者になったりしてはいけない。

と人に長々と説明するより、

ダースベイダーみたくなってはいけない

と説明したほうがスッキリしますよね。スターウォーズファンならこれで一撃です。

同じストーリーをイメージすることで、「前提条件の共有」「言葉のルールの共有」が一度に終わるのが具体例のスンバラシイところです。

〈絵本のようにしゃべる〉

大人になると多くのことを覚えていたり、文脈を読み取るといったことができるのですが、子どもはまだその能力が発達していません。

なので絵本は、

ところが」とか「するとどうでしょう」のような、「前後の因果関係を理解しやすくする言葉」=「接続詞」がはっきりと書いてあります。

こういうふうに書いてあげると、子どもは内容をストーリーとしてスムーズに読み解くことが出来ます。子どもに分かりやすいんだから、大人にも分かりやすいですよね?

接続詞を意識することによって、「この繋がりは、自分にしか分からないオリジナルのルールではないだろうか?」と確認をするきっかけにもなります。

身近にお子様がいらっしゃる方は絵本の文章を確認してみると勉強になると思います!

ちなみに
絵本は物語ですが、「解釈の自由」はあまり生じないようになっています。つまり作者の意図した通りのストーリーが伝わるように設計されています。対象が子どもである場合は「自由な解釈」がそもそも出来ないので、「あのお話は分からない」と言われてしまうんですね。

まとめ

「前提条件の共有」と「言葉のルールの共有」をしよう!!

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