起業家が長期的に利益を生み出す対人ルールとは?

あなたのKey-Performanceを引き出す専門家、筧田 (@kakehida) です。

起業すると外部の方との折衝も増えると思います。 そんなとき、どんな風に他者と接すれば良いのかわからないという方も多いと思います。 また「自分は対人関係で損してると思います」という声もよく耳にします。

そこで今日は、起業家が長期的に利益を生み出す対人ルールをお伝えします。

結論から言うと、

起業家が長期的に利益を生み出す対人ルール
1. ほどよく利他的な環境を選ぶ
2. まず相手に協調する姿勢
3. 相手に寛容でありながら用心し、オウム返しをする
4. 懸命に働き、そのことを周囲に知ってもらう
5. 相手を許す
※ 互いに長期的な視点で向き合う

という6項目から成り立ちます。

念のためですが、この記事は私の意見ではなく、科学的に根拠のある研究結果に基づいて発信しております。 早速、順に詳細を説明したいと思います。

1. ほどよく利他的な環境を選ぶ

良い塩梅で他人の利益を考えられる環境を選ぶにはどうすればいいでしょうか?

① 一緒に仕事をする相手を見る

起業したばかりでリソースが少ない場合、相手があなたのスタンスに合わせることはなく、あなたが相手のやり方・仕事振りに合わせる可能性が高いです。 自分と合わないと感じたなら、その仕事は円滑に進まないことが多いでしょう。

自分がどのような姿勢で仕事に取り組むかは、周りの人々によって決定されるという結果を導き出したのがターマン調査と呼ばれるものです。

参考文献:ターマン調査 [Lewis Terman, Stanford Univ.]

利他的に振る舞う人々と一緒に仕事をすることで、長期的な利益を生む土台となります。 また余計なコスト (心配・対応) が掛からず、円滑に仕事が進むことにもつながります。

② お客様を見る

起業家にとって、直接の取引相手・お客様は非常に重要です。 取引相手が、利益を左右します。 できれば事前の顔合わせで、しっかりと話しをし、人物像に触れて、利他的に物事を考えられる方なのか、確認できると良いですね。

 

2. まず相手に協調する姿勢

アクセルロッドの応報戦略の実験 (参考文献参照) において高得点を収めたのは、全て最初に協調行動をとっていたプログラムでした。 まず自ら相手に協力する。 このことが効果的なことは、多くの調査で実証されています。 影響力を分析したRobert Cialdiniは、最初に手を差し伸べること互恵主義を育む鍵であり、説得・好意の素となると言っています。

参考文献:対立と協調の科学-エージェント・ベース・モデルによる複雑系の解明 [Robert Axelrod著]

ハーバード大学ビジネススクールの交渉論の講義において、ディーパック・マルホトラ [Deepak Malhotra] は、交渉で1番重要なのは、「相手から好かれること」だと学生に教えています。

こちら側の好意は、ささやかの行動で充分示せるそうで、新しい仕事をもたらすことにつながったりします。 進んで相手に好意を示していきましょう。 できれば贈り物をするのも効果的です。 相手に喜ばれる贈り物を考えるだけでも、良い訓練になりますよね。

 

3. 相手に寛容でありながら用心し、オウム返しをする

① 相手を妬まない

まず前提として共通認識にいしておきたいことが、社会はゼロサムにはなっていないということです。 誰かが勝ったからといって、あなたが負けるとは限りません。

応報戦略の実験でゲームを行った実験では、1回1回の勝敗では点数が低くても、全体の最終結果では上回る点数を得ることになりました。 ここで重要なのは、相手を負かすことではなく、お互いに相手から良い行動を引き出したためと結論付けられていることです。

このことから学べるのは、相手の利益を気にせず、自分の良い行いを基本姿勢として、やられた場合にはやり返す、つまりオウム返し的対応をしていくだけで最終的な利益が大きくなるということです。

② 自分から先に裏切らない

互恵主義は、実社会において大きな影響力を持ち、他者から好意を得るための重要な要素ですが、利益を得るために肝心なことは、まず自ら親切な行動を起こすことです。 相手が協力してくるのを待つだけだと、多くの機会を逃すことになります。 自分からは裏切らず、長期的な利益を意識してまいりましょう。

参考文献:PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間 [Robert Cialdini著]

③ 協調であれ裏切りであれ、単純明快に相手にオウム返しする

応報戦略の実験では、自分から喧嘩を売る行動は点数を減らす結果となりました。 しかし、報復の場合は、得点を上げることになりました。 相手が協力するならこちらも協力する。 相手が裏切れば、こちらも裏切る。 単純明快な姿勢でオウム返し的対応をすることが大切です。

こちらの単純明快なやり方に付き合ってもらうことが効果的です。 曖昧に立ち振る舞うほど、周囲に不信感を抱かせ、評判を失うことになります。 相手に単純明快な因果関係を理解させ、前提として双方が利益を得られることを共有し、協調路線に導きましょう。

⑤ 搾取する者に対して用心する。

ちなみに、相手が裏切っても、毎回、協調する姿勢でいると、つけ込まれ、搾取されることになります。 きっとあなたも身に覚えがあると思います。 いわゆる、なめられるということです。

そのため、報復を明確に行うことが大切だか、搾取する者からの実害を減らすために、搾取するものに用心するよう周囲と伝え合わせていくことが重要となります。

 

4. 懸命に働き、そのことを周囲に知ってもらう

利益を得るためには、自分のことを周囲に知ってもらう必要があります。 仕事仲間、取引相手・お客様に知ってもらい、好かれるということです。 報われるためには、とにかく、マーケティング活動を通して、周囲の方々に自分の働きぶりを知ってもらう必要があります。 できていますか?

取り組んでいることを手っ取り早く知ってもらうために、例えば、毎週金曜日に週の良い成果を公表するのは効果的な方法です。 相手が自分のことを理解してくれていると、こっちが思っていても、相手は忙しく、それぞれやることで手一杯なことがほとんどです。

 

5. 相手を許す

実社会では、相手のことその行動理由について充分な情報を入手できるわけではありません。 情報不足の中で相手を許すことで、無意味なデス・スパイラルを防ぐことができます。 また相手にチャンスを与えることで、相手に協調行動 (互恵主義) を教えることができ、全体を通して長期的な利益を生むことにつながります。

 

※ 互いに長期的な視点で向き合う

長期的な期間で物事を行うほど、これらのルールは効果がでます。 将来に渡って関わっていける互恵関係を結んでいきましょう。 関わりが多いほど、共通の友人が多いほど、遭遇する可能性が高いほど、相手はあなたを丁重に扱う必要性が増します。 戦国時代にあった他国との政略結婚もその理由からです。

ちなみに、アクセルロッドはこのやり方を、「将来の影をお起きすること」と呼びました。

最後にノースイースタン大学で社会的感情を研究するデビッド・デスティーノの言葉を引用します。

人々は常に2つのことを見極めようとしている。 1つは潜在的パートナーが信頼に値するかどうか。 もう1つは、その相手と再び関わりそうかどうか。 この2つの問への答えは、何にも増して、全ての人のその時々の行動を決定する要素である。

 

まとめ

起業家が長期的に利益を生み出す対人ルール
1. ほどよく利他的な環境を選ぶ
2. まず相手に協調する姿勢
3. 相手に寛容でありながら用心し、オウム返しをする
4. 懸命に働き、そのことを周囲に知ってもらう
5. 相手を許す
※ 互いに長期的な視点で向き合う

いかがでしたでしょうか? 起業家として対人関係に責任を持って、しっかりと利益を生み出していきましょう!

 

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ABOUT US
筧田(かけひだ)
【 “いいものだらけ”の世の中へ。】を理念に、高校の同級生と共に、株式会社Key-Performance を創業し、代表取締役を務める。 「魅力的な起業家の集まりが地元にない!!」ことから、起業茶屋® を立ち上げ、5年で2000名を集客する。 現在は、人間観察サロン™、起業の作戦会議室™に力を入れている。