【アンカリング】「相場」から解放されて自由に値付けをする方法【行動心理学】

こんにちは、井畑です。

みなさん、自分の商品の価格設定って超頭を悩ませませんか?まず第一に僕たちが気にするのは「相場」です。でも、どうしてこんなに相場を意識しなければいけないのでしょうか?

今日の記事では、人間がものの価値を決定する時に行なっている「アンカリング」という働きをご紹介します。

アンカリングの仕組みを理解すれば、「相場」の呪縛から解放されるだけでなく、自分の思った通りの値段でサービスを提供できるようになります。

相場価格に縛られる理由

人はものの値段を高いか安いかを判断する時、基準(アンカー)となるものの値段との比較を行います。

例えば、定価49800円のテレビが29800円で売っていたら「安い!」と思いますよね。でも、同じ商品が閉店セールで19800円で売っていたことを知っていたらどうでしょうか?きっと「前にみた時よりも1万円も高い…」と感じてしまうことを言います。それぞれ、最初に得た情報がアンカー(基準)となって、後の値段が高いか安いかを判断しています。

この基準となる「アンカー」を相手に擦り込むことを「アンカリング」と言います。

ぼくたちのサービスも、常にお客様の頭の中にあるアンカーと比較されて高いとか安いを判断されます。アンカリングこそが市場価格に縛られてしまう理由なんです。

アンカーの条件

アンカリングを行うために、アンカーがどんな時に打ち込まれるかを確認しましょう。

人間がアンカーとして認識するのは…

  1. 最初に見たもの
  2. 購入を真剣に検討した時に見たもの

という条件を満たしているものです。脳が「最初の判断の基準点」として認識したものがアンカーになります。

縛られるのは価格だけではない

例えば平均30分以内に返信していたお客様のメールを3時間放置したら相手はイライラするでしょう。でも、平均1日以内に返信していたメールを3時間で返信したら、相手からしたら「今日はすごく早いじゃないか」となります。

アンカリングの日常利用法

自分にメリットのあるように利用することもできます。

例えば1時間遅刻しそうな時に「1時間遅刻します」というと「1時間遅刻した」という印象だけが残ります。ですが、「1時間半遅刻します」と言っておいて1時間で到着すると「予定よりも30分早い」という印象になります。同じ1時間の遅刻でもです。

※もちろん遅刻しないことが一番です!

相場から解放される方法

では、本題です。僕たちが相場に縛られているのはお客様に相場の価格がアンカリングされているからです。だから、アンカーさえ自分の都合の良いところに打ち直せれば、相場価格からおさらばすることができます

では、アンカーはどうやったら打ち直すことができるでしょうか?

方法は2つ。「徹底的な差別化」と「リフレーミング」です。

徹底的な差別化

みなさん、スターバックスって使ってますか?僕もかなりのヘビーユーザーで、この記事もスタバで書いています。でも、スタバって値段が高いですよね?

スタバがアメリカで店舗を拡大し始めた当時、他のコーヒーショップ、例えば「ダンキンドーナツ」(現在は「ダンキン」)に比べてかなり値段が高かった。ダンキンドーナツにアンカリングされている顧客からは「なんだこの高いコーヒーは⁉︎」と思われていました。

ですが、スタバは当時のCEOハワードシュルツの徹底的なこだわりのもと、コーヒーのサイズ・飲み物・店の雰囲気を徹底的に差別化しました。結果、「スタバはダンキンドーナツとは違うものだ!」と顧客に感じてもらうことに成功し、自分たちで新しいアンカーを打ち直しました

こんな具合で、同じジャンルのサービスでも「徹底的な差別化」を行うことで「違うサービス」として認識してもらうことで、アンカーを打ち直せるんです。

Appleの差別化

ちなみに、Appleは自分でアンカーを打ち直すのが上手です。フルモデルチェンジの機種は値段を上げて出し、マイナーチェンジは性能を上げて価格を下げて出しています。

フルモデルチェンジした製品は新しいアンカーを打てるので高めに出し、マイナーチェンジはそのアンカーのおかげでお得感を出して販売することができます。

リフレーミングを行う

表現を変えることで相手の印象を変えることをリフレーミングと言います。

例えば「この手術をすれば10人中6人が命を落とします」と言われるのと「この手術をすれば10人中4人が助かります」と言われるのとではどちらが手術を受ける気になりますか?全く同じことを言い換えているだけですが、後者の方が手術を受ける人が多くなることが研究で明らかになっています。

これを利用すれば既にあるアンカーをすり抜けてサービスを提供することができます

例えば、相場が2500円の情報商材を5000円で売りたいとします。相場の倍なのでこれだけだと「高い」と思われてしまいますが、これを「飲み会2回分より安いです」と表現することで、お客様の頭の中では「飲み会に行くよりは勉強したほうが有意義かもしれない」という思考が生まれます

また、「一ヶ月換算だと1日160円です。セブンのカフェオレ一杯分と同じです」と表現すると「なんだか高くないんじゃないか?」との錯覚をします。

リフレーミングは比べられると不利なアンカーから、比べられて有利になるアンカーへ、お客様の思考を誘導することで効果を発揮します

まとめ

僕らが市場に縛られるのはアンカリングのせい

アンカーを打ち直すことができれば自分の思った通りの価格でサービスを提供できる

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