Apple伝説のCMも、神話のストーリーを守ってるよ!!

こんにちは、井畑です。

 

皆さん、スマホは何使ってますか??

 

私は5年間前にiPhone4に替えて以来、ずっとiPhoneを使い続けています。さらにパソコンもMac、タブレットもiPadと、使っている電子機器は基本的にApple製品で揃えています。

そうです、私Appleが好きなんです!!

 

さあ、そんな前置きはさておき、いよいよ本題です。

 

私も大好きなApple、製品がとても洗練されている点で多くの人に愛用されていますが、製品の質のほかに、マーケティングの上手さが卓越していたことも大ヒットの理由にあげられます。

 

今回の記事では、マーケティングの中でも特に広告に注目して分析していきます。

 

分析する広告はAppleの中でも伝説と言われている、1983年にMacintoshの発表に使われた『1984年』というCMです。

 

以前書いた記事『Matrixをパクるだけ!!売れる広告の鍵は『神話』にあった』で説明している要素を完璧に守っている広告です。

 

『1984』ってどんなCM??

まずは、1983年のMacintoshの発表イベントの様子を御覧ください。

 

発表の中で『1984年』が流れています。

※日本語字幕もついていますので、必要な方は映像下部の歯車のボタンから、日本語字幕を設定してください。

 

 

 

いかがでしたか?

 

会場が信じられないくらいの興奮の渦に包まれていますね。大喝采が収まるまで1分ほどかかってます。スティーブ・ジョブズ、さすがですね。

 

このプレゼンの内容を、前提条件も踏まえて簡単にまとめるとこういう事です。

 

コンピューター業界を支配するくらいの大企業IBMは、コンピューターは企業や研究のために用いられるものであり、個人が使用するものではないとして、参入を見送って来た。

 

以来、個人向けコンピューター「パソコン」を生み出したいくつもの企業が成功し、その旅にIBMは苦い思いをしてきた。

 

Appleが世の中に出た時も、IBMはその存在に見向きもしなかったが、1981年Appleが世界一有名なコンピューター会社へと成長すると、いよいよIBMもパソコン市場に参入してきた。

 

そして1983年、IBMはその巨大な規模と資金力で次々に市場を獲得。力の弱い企業は次々に淘汰され、ディーラーはIBMの言いなりになるしかなくなっている。

 

このまま、コンピューター業界はIBMに支配されてしまうのか?

 

世界はジョージ・オーウェルの作品「1984」のように、ビッグブラザーによって支配される画一的で自由の許されない世界になってしまうのか?

 

そして、あのCMが入ります。

 

では、このCMがどのように組み立てられていたかを詳しく見ていきましょう。

 

「1984年」のストーリー構成

 

鍵はジョージ・オーウェルの起用

まず、1分という短いCMの中に人々を動かす力のあるストーリーを詰め込むのは至難の業です。

 

MatrixやSTAR WARSは2時間の枠がある映画だから、作品の中でストーリーを語ることが出来ました。

 

では、Appleはどうやったのでしょうか?

 

Appleはストーリーの根底に、ジョージ・オーウェルの小説、「1984」を持ってきました。

 

これがポイントです。なぜなら、ジョージ・オーウェルの「1984」は英雄が敗北した物語だからです。

 

人々の頭の中には、すでに「1984」での世界観が広がっています。

 

つまりAppleは既存のストーリーをうまく引用することで、短い時間の中で魅力的なストーリーを語りました。

 

では、このCMを神話のストーリー構成に当てはめて分析してみましょう。

 

ヒーロー

 

「1984年」のヒーローは、どこにでもいる男性です。ただ、自由と自我を求め、画一的に支配される事を拒んでいました。

 

Appleのターゲットは、この男性のように、自由で、クリエイティブで、今までにない何かを生み出したいと思っている人たちです。

 

メンター

これは当然Appleのことです。IBM(ジョージ・オーウェルの作品では「ビッグブラザー」、スティーブ・ジョブズのプレゼンでは「ビッグブルー」と言われています。)の支配から世の中を解放しようとしている集団です。

 

ギフト

Apple製品の事。IBMの画一化された製品ではなく、Appleの自由で、先進的で、クリエイティブな製品を使うことがIBMの支配をぬけ出す鍵になっています。

 

悪役

この悪役が「IBM」になっています。そして、もしこのCMを見ている人がApple製品でなくIBM製品を使った場合、IBMの支配に手を貸したことになるということも表現されています。

 

IBMは悪役であると同時に、Appleを選べなかった人のダークサイド、成れの果てというわけです。

 

物語の真理

クリエイティブな人々は圧倒的な支配者を倒せる

 

これがこのCMの最大のポイントです。

 

恩恵

IBM一社による支配的市場にならないことで、市場に再び競争が戻り、より自由で多様性に満ちた製品選択が出来るようになる。

 

まとめ:Appleは見事である

それにしても、Appleとスティーブ・ジョブズ、見事ですね。

 

なによりすごいのが、たった1分足らずのCMでここまでの内容を盛り込んだ事です。

 

みなさんも、CMや自社製品のマーケティングを行う際はぜひ参考にしてみてください。

 

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