顧客にとっての苦痛は何か?【顧客プロフィール③】

顧客の苦痛
顧客の苦痛

こんにちは、株式会社Key-Performanceの井畑です。

 

今回は「顧客の苦痛」について理解していきましょう。「苦痛からの回避」の欲求は非常に強いものがおおいです。

 

うまくここに焦点を当てれば「何が何でもあの製品/サービスを手に入れるんだ」という強い購買意欲をお客様に持っていただくことも可能です、頑張りましょう。

 

顧客の苦痛とは?

顧客の苦痛とは、課題を達成するにあたっての障害や悪い結果に繋がることへのリスク、また顧客の頭を悩ませることをいいます。苦痛は大きく3つに分類されます。

 

望ましくない結果・問題・特徴

顧客にとって望ましくない状態になるのが苦痛です。ここでは更に2つの例を出して説明をします。

 

①解決策が好ましくない場合

既存の解決策が好ましく無い場合、顧客は苦痛を感じます。現状の解決策では不十分、もしくはまっ

たく解決になっていない場合。もしくは副作用があり、問題解決のためのまた別の問題を引き起こし

ていたりという具合です。

 

②感情的に好ましくない場合

何かをするたびに好ましくない感情になるのも顧客の苦痛です。例えば、課題と向き合うこと自体が

嫌な人もいますし、解決策が気に入らずに嫌な思いをしている人もいるでしょう。

また、課題や解決策自体に問題がなくても、それに付随する行為に嫌な気持ちを抱くこともあるは

ず。例えば、「あの解決策を使うと10時間はかかるから、必ず残業になる」などです。

 

「デザインが気に入らない」「面白くない」等も苦痛になります。

 

障害

達成やとりかかりを遅らせたり、妨げたりするもののことです。例えば「時間が足りない(=クオリティが下がる/残業をしなければならない)」や「お金がかかりすぎる」などがあります。

 

リスク

失敗の原因になるものや、行うことで自分に悪いことをもたらす要因も苦痛になります。例えばそれを行うことで信頼を失ったり、極端な場合会社をクビになったりすることです。

 

 

書き出しに「数字」は必須

では、「顧客の苦痛」を書き出すときのワンポイント。できるだけ苦痛を具体的に表しましょう。

 

例えば、「時間がかかる」ことが苦痛だとしたら、「10時間もかかるのは苦痛」というように数字を入れてください。

 

この書き出しはあくまでみなさんの頭のなかにある情報です。なので実際にその問題を抱えている人から聞いた数字(=内容)もあれば、みなさん自身のイメージで設定する数字も出てくるはず。それで構いません。

 

なぜかというと、ここで書きだした「仮説」はすべて「検証」を行います。なので今は正確な数値でなくて構いません。むしろ、予測の数値を書いておくことで「検証」が圧倒的に効率よく進みます。

 

数字をつけられるところはすべて、予想で構わないので数字をつけた具体的なものにしてください。

 

顧客の苦痛を引き出すための重要な質問

では、書き出しを行っていきましょう。「顧客の課題」のところでご用意したように、今回も書き出しを助けるための「重要な質問」をご用意しました。

 

質問

・顧客にとって「お金が掛かり過ぎる」「時間が掛かり過ぎる」「相当の努力が必要になる」とは、具

体的にはどのくらいですか?

 

・顧客を嫌な気分にさせるものはなんですか??不満・不安・迷惑・苦痛の種は?

 

・現在の解決策(=価値提案)のどこに、どのくらい満足していないのでしょう?

 

・顧客が直面する問題は何でしょう?また、達成の障害になっているものは何でしょう?(仕組みを理

解するのが大変なのか?それともやりたくない仕事があるのか?)

 

・顧客が抱えている社会的なリスクは何でしょうか?信頼を失う?昇進できない?リストラされる?

 

・顧客の財務的・技術的リスクはなんでしょう?また、失敗に繋がりそうなリスクはなんでしょう?

 

・顧客の一番の心配はなんでしょう?大きな課題・懸念・不安はなんでしょう?

 

・顧客がよくする失敗は何でしょう?また、その原因は何でしょう?

 

・顧客が既存の解決策を受け入れない原因は何でしょう?金銭面?学習の必要性?その他の理由?

 

 

 

書き出しはおわりましたか??

 

次は「顧客の喜び」についてです。考えるのが楽しい部分ですね。ここまできたらあと一息です、頑張りましょう。

 

参考文献

『バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る』

アレックス・オスターワルダー/イヴ・ピニュール/グレッグ・バーナーダー/アラン・スミス共著

翔泳社