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直感を信じたいなら、直感を言語化する努力をする。【行動経済学】

井畑です。

僕たちの会社では議論の中で「直感」を非常に重要視します。

ですが、それは当てずっぽではありません。僕たちは直感の力をきちんと経営判断に活かしたいので、ちゃんと言語化する努力をしています。

2種類の直感

人間の直感には2種類あります。

1つ目は専門性と経験に裏打ちされた直感です。心理学者のゲーリー・クラインは著書「決断の法則 人はどのようにして意思決定するのか?」で消防士の例を出して専門的な直感を説明しています。

ある消防士のチームが火事の家に駆けつけ、火元とおぼしき台所で消火作業を始めた。ところが放水を初めてすぐ、隊長は自分でも分からないままに「早く逃げるんだ」と叫んでいた。そして、全員が退去した直後に床が焼け落ちたのである。隊長が気づいたのは、火勢がさほど強くないのに耳がひどく熱く感じる、ということだけだった。この2つの印象が合わさって、隊長曰く「危険の第六感」が働いたのだという。何がおかしかったのかはわからなかったが、何かがおかしい事だけは確かだった。あとになって、火元は台所ではなく、消防士たちが立っていた床の真下の地下室であったことが判明した。

 

状況が手がかりを与え、その手がかりから記憶に蓄積された情報を呼び出し、瞬時に答えを出してくれたのが専門性と経験に裏打ちされた直感となっています。

それと対照的なのはもう一つの直感。感情的な直感です。

これは、たとえば「A社の株を買うのは正しいか?」という問題に対して、専門的な検知からではなく「A社の商品が好きだから」ということだけが根拠になっています。

この「感情的な直感」は「感情ヒューリスティック」という人間の思考の癖で説明することが出来ます。人間の脳は問題に対処する時に、自分の持っている知識や能力を使って解決しようとします。ですがもし自分の力では解決まで至らないと、もとの問題と間接的に関係していて、かつ簡単に答えられる問題にすり替えます。

つまり「A社の株を買うのが正しいか?」という疑問ではなく「A社の商品が好きかどうか?」という簡単にYes/Noが判断出来る問題に置き換えて思考し、それを「A社の株を買うのが正しいか?」という問の回答として返します。

これが「感情的な直感」です。

どちらの直感かどうかを判断する方法が言語化。

「専門性と経験に裏打ちされた直感」であればそれにしたがって問題ないのですが、「感情的な直感」だった場合は、答えを出すのに必要な情報が不足している時に出した答え、要するに「当てずっぽう」な答えです。

こんな答えを経営判断に使っていて、事業を続けられるほど世の中は甘くありません。一部の天才ならうまく切り抜けるでしょうが、普通は無理です。

だから直感を経営に活かすためには、この2つの直感をしっかり分別する必要があります。

その分別方法が「言語化」なんです。自分が直感的に感じた答えに対して「なぜ自分はこう感じた(考えた)のか?」と「なぜなぜ思考」でどんどん掘り下げていきます。

掘り下げを続けるうちに「納得のいく理由」にたどり着いたのなら、それは「専門性による直感」です。その答えを信じましょう。ですが、考えても考えても妥当な理由が見つからなかった場合や、「○○が好きだから」という曖昧な理由にしかたどり着かない場合には、それは「感情的な直感」です。経営判断に盛り込むのは危険です。

僕たちの会社では、議論のきっかけとして「直感」を使うことが多いです。「ちょと思ったんだけど〜」とか「ブレストとして聞いてほしいんだけど〜」とかの切り出し方で話しを始め、「なぜそう思ったのか?」をひたすら議論していきます。

その結果、根拠が明確になったケースもあれば、「感情的な直感」だったと分かったケースもあります。

直感の言語化が出来ない人は経営者としてはキツい

経験上、「直感の言語化」に慣れていない方ほど、「感情的な直感」に頼って経営をしています。

そういう方は経営がうまく行っていればいいのですが、たいていは何らかの課題を抱えており、その課題に対して「感情的な直感」で解決策を考えるのでますます泥沼化しているケースも珍しくありません。

しかも、「感情的な直感」は自分の好き嫌いに基づいているので、その判断に従うのは気持ちいいんですよね。だからなおさら辞められなくなっちゃう。

一歩一歩確実に進歩を積み重ねていくのが経営です。直感の言語化が出来ない人は、その一歩一歩を着実に積み重ねられないので、経営者としてはちょっとキツい。

これからも経営者として生きていくなら、直感の言語化をしてみてください。

いつも共有、ありがとう!

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