「お金がある=幸せ」という思考の呪縛が日本をダメにする

ボトルネック

こんにちは、イハタです。
 
起業をしたいと言っている人に目標を聞くと、半数以上が「◯◯年で年収◯◯万円!」のようにお金の話で返してきます。そういう人はまず「お金がある=幸せ」という思考の呪縛から解き放たれましょう。その発想は「価値提供」を中心に置いていないので、結局うまくいきません。
 

それ、拝金主義っていうんです

まず、自分の中での成功や幸福の定義が「お金」になっていないかをチェックする必要があります。
お金というのは基本的にただのツールです。何かと交換することでしかお金に価値はないので、お金そのものを求める必要はない。ベンツの引換券を欲しがる人がいたとすれば、その人が本当に欲しがっているのはベンツであって引換券ではありません。なのにその引換券に固執している人がいたら引きますよね。
 
じゃあなんでその引換券程度の価値しかない「お金」にみんなこれほど執着するのかっていうと、メディアがあたかも「お金を稼いでいる=偉い人である」という思考を植え付けて来たからです。例えば19時からのゴールデンタイムにやってるバラエティでは絶対1本か2本は「芸能人誰々の驚きの年収!」みたいな、支給されているお金の話が出てきます。
 
「お金を稼いでいる=偉い人である」という思考は戦後の日本社会にはとっても都合が良かったんです。とにかくみんなで同じ方向を向いて、できるだけ一人ひとりがやる気を出してたくさんの仕事をする必要があった。だから労働の対価である「お金」そのものに価値があることを強調することによって、自主的に労働の「量」や「質」を上げていく仕組みを作ったんです。
 
でも、今この思想でいる人たちの立場が一気に危うくなってきます。
 

日本経済からの価値の消失

この「お金を稼いでいる=偉い人である」という思考が行き過ぎたせいで、日本の経済はどんどんいびつなものになってきます。まずは価値の中心が「お金を稼ぐこと」になりました。そして、お金を一番てっとりばやく増やす方法は「お金を使うこと」なんです。つまり金融なんかの「お金でお金を稼ぐ」職業にどんどん人気が集まり、事実一番手っ取り早くお金を稼げる仕事になっています。
 
だから今の大学生はなりたくもないのに銀行に就職をします。お金が価値の中心になってますからね。
 
でも、確認しなければいけないのは、「お金でお金を稼ぐ」系の仕事というのは、何かを生産するわけでもなく、何か新しい発明・発見をするわけでもない。つまり市場に何一つ「新しい価値」を生み出してないんです。
 
だから、「お金でお金を稼ぐ」系の仕事に「お金」が集まれば集まるほど、市場から価値がだんだん減ってきます。市場から価値が減れば当然「お金でお金を稼ぐ」系の仕事をしている人の取り分も少なくなります。
なので、お金だけに執着すればするほど、お金はどんどん消失していくんです。
 

ものを生み出している人にもっと多くのお金を

なので、日本の経済全体として見れば「市場に価値を提供できる仕事」への取り分をもっと多くして、お金でお金を儲ける職業の取り分を少なくするべきなんです。
 
そもそも「お金があれば偉い」とか「お金があれば幸せ」なんてのはメディアからインストールされたイメージに過ぎません。
 
例えば家が欲しいにしても、家を手に入れる方法は本来たくさんあったはずなのに、必ず「ローン」の話が出てきます。日本人はとにかく何かを手に入れるためには一度「お金」を経由しなければいけないと刷り込まれている。
 
まずは自分が欲しいもの、人生の目的をはっきりさせましょう。そしてそこにたどり着くために「本当にお金が必要なのか?」をよく考えて見ましょう。
 

起業家は特に「お金がある=幸せ」ではないことを肝に銘じるべき

特に起業家の場合は「お金」を基準に考えると大きく道を踏み外し兼ねません。本来であればお客様からの「信頼」を貯めればお金は後でついてくるはずなのに、「お金を稼ぐ」ことを中心に考えるとお客様への価値提供がおろそかになります。
 
また、もしお金だけを儲けたい場合は、起業よりももっと楽な道もたくさんありますし、お金がモチベーションだと起業に一番大切な「熱を持って行動し続ける」という行為が出来なくなります。
 
あなたの価値基準が「お金」になっていませんか?もしなっている場合には一度「なぜ自分はこんなにお金が欲しいのか?」と考えてみましょう。