こんにちは、井畑です。
起業家は無礼な態度を取る人とはお付き合いをしないほうがいいです。
無礼な人と関わると………
- 思考能力が低下する
- 認知能力が低下する
- 自分まで攻撃的になる
無礼な態度は周囲の思考能力を下げる
2007年に「アカデミー・オブ・マネジメント・ジャーナル」に掲載された、クリスティーン・ポラスさんとアミール・エレズさんの共同研究の論文が情報ソースです。
【実験の前提】
学生を2グループに分ける。
↓
アナグラム(単語並べ替え)テスト・レンガの使い方に関するブレインストーミングをやってもらう。
【実験1】
※1グループにだけ、「大学生全般を貶めるような発言」を聞かせた後にテストを行った。
〈結果〉
貶める発言を聞いたグループは、そうでないグループに比べて、アナグラムテストの結果が33%低下、ブレストで思いつくアイディアも39%少なくなった。
【実験2】
※1グループにだけ、見ず知らずの人に叱責され(忙しい教授の手を煩わせた)、その後にテストを行った。
〈結果〉
無礼な態度を取られたグループは、アナグラムテストの結果が61%低下、ブレストで思いつくアイディアの数も半分以下になってしまった。
【実験3】
※1グループにだけ、他の人が無礼な態度を取られている光景を見せる。
〈結果〉
無礼な態度を見たグループは、アナグラムテストの結果が20%低下、ブレストで思いつくアイディアは30%減少した。
【結論】
無礼な態度は認知機能の低下をもたらし、それは他人に対して取られた態度でも影響がある。
無礼な態度は周囲の認知能力を下げる
無礼な態度が下げるのは思考力だけではありません。自分の周囲で何が起こっているかを認識する「認知能力」の低下も引き起こします。
実験の目的
無礼な態度を連想することで、認知能力は低下するのかどうかを調べる。
調査の前提
この調査では心理学者ダニエル・シモンズとクリストファー・チャブリスの有名な「見えないゴリラ」の実験手法を使っています。
「白のチームが何回パスをしたかを数える」ことを目的に映像を見せられるのだが、映像の途中でゴリラが画面を横切る。(というか画面中央でドラミングをする。)
パスの回数に気を取られているとこんなに目立つゴリラにも気が付かない人がいるという実験です。
調査内容
参加者を2チームに分ける。
片方のチームには「無礼な態度を連想させる言葉」を見せ、もう片方のチームには「無礼なことは連想出来ない言葉」を見せた。
その後「見えないゴリラ」の実験を行い、それぞれゴリラに気がついた人数を調べる。
実験結果
無礼な態度を連想する言葉を見ていたチームは、もう一方のチームに比べてゴリラを5倍の頻度で見逃した。
自分まで攻撃的になる
最後は、無礼な態度を取られた時に自分の思考にどんな変化があるのか?という実験です。
実験の目的
攻撃的な態度を取られると、自分の思考にも変化が表れるのか?
実験
参加者を2チームに分ける。
参加者には「r・e・m・d・u・e」の6つの文字を並び替えて単語を作り出すテストを行ってもらう。
一方のチームには誰かから無礼な扱いを受けてからテストを実施し、もう1チームは無礼な扱いを受けることなくテストを実施した。
結果
先程の文字列は「demure(控えめな)」という単語か「murder(殺人)」という単語のどちらかになる。
無礼な扱いを受けた方のチームは最初に「murder(殺人)」という単語を思いつく可能性がそうでないチームの8倍にまで高まった。
まとめ
いかがでしょうか?
「起業家たるもの人脈を大切にしなければならない」と思っているとつい無礼な態度を取られても「自分が我慢すればいい」と思ってしまいがちです。
ですが、自分のパフォーマンスが一番の資本の起業家にとって、パフォーマンスを落とすことは命取りです。
自分が「無礼だ」と感じる人とは積極的に距離をとって、パフォーマンスの維持に努めましょう。
無礼な人であればあるほど「人から無礼な態度を取られたくらいで文句を言うな!自分から食らいついてくるんだ!俺の若い頃は……」という思考である傾向が強いです。
確かにご本人はそれで成功したかもしれませんが、その成功の裏で無礼に潰された人が一体何人いるのか………あくまで確率で考えて下さいね!
ちなみに、この「たった一つの成功を世の中の真理だと思ってしまう」事を心理学では「利用可能性ヒューリスティック」と呼びます。