井畑です。
禅問答のようなタイトルですが、なにかに挑戦してもいつも三日坊主で終わってしまうという方に向けての内容です。
三日坊主になってしまうのは、習慣化の3つのルールがきちんと守られていないからです。
習慣化のルールは「トリガー」「ルーチン」「報酬」
そもそも習慣っていうのは「自動運転」状態なんですよね。例えば自転車や自動車の運転、なれないうちはおっかなびっくり、色々考えながらやってますが、慣れてくるとボーッとしててもいつの間にか目的地についているようになります。
だから、習慣化っていうのは「自動運転のプリセット」を脳に登録することなんです。
「人間の行動の45%は習慣的行動だから、習慣を変えれば人生が変わるよ!」って内容の本「習慣の力」の著者、チャールズ・デュヒックによると、新しく習慣を身につけるためには「トリガー」「ルーチン」「報酬」の3つが必要です。
トリガー:習慣を呼び出すきっかけ
「車の座席についたらシートベルトを締める」という習慣を例に説明します。
「シートベルトを締める」という習慣的行動は「車の座席につく」というきっかけによって呼び出されました。
この「車の座席につく」という動きが習慣を呼び出すきっかけ、つまりトリガーになっていたわけです。
他にも「夏の熱い夜にクーラーを入れるとビールが飲みたくなった」とか「仕事でミスをして気分が落ち込むと衝動買いをしたくなる」というような例もあります。
デュヒックによると、習慣のトリガーになるのは次の5つです。
ルーチン:自動で再現される行動の中身
繰り返しの行動を記録するためにには、ルーチンが必要です。例えば車の運転であれば、最初は間違ったりスムーズにいかなかったりと、試行錯誤を繰り返します。
試行錯誤を繰り返しているときには、脳の基底核と呼ばれる部分が活性化し、特定の動きを記録・保存していきます。
先程の例でいえば、シートベルトを締めるという動きも初めてであれば「右肩の方にあるシートベルトを掴み、それを左もものあたりにある留め具まで持っていき、カチッと音がするまで押し込む」と考えながら行うのですが、その体の動きそのものをインプットしてしまい、トリガーに反応してインストールした動きを再生します。だから「自動運転」が可能なんです。
報酬:保存するに値する情報かの判断材料
最後は報酬です。人間の脳は基本的に「省エネ」をしようとしています。だから、出来るだけ無駄な情報はインストールしたくありません。
そのため、「この情報は、保存しておいたほうが得をするのか?」を判断し、情報を選別します。その判断材料になるのが「報酬」です。
例えばシートベルトの例でいえば「車に乗る時に必ず行うから、これは毎回考えるよりも記録してしまったほうが脳のエネルギーが節約できる」と脳は判断します。「脳のエネルギーの節約」という報酬があるので、脳は情報を記録してくれるんです。
なので、何度も繰り返す行動は基本的に習慣になります。
他にも「この行動をとったら楽しい思いをした」とか「あれをすると気持ちのいい思いが出来る」といった、脳にとってポジティブな刺激が報酬になります。
例えば「夏の熱い夜にクーラーを入れるとビールが飲みたくなった」というトリガーは、「ビール」という報酬を手に入れるために記録されています。
習慣は3つがセットになっていないと身につかない
習慣はこの3つがセットになっていないと身につきません。
例えば「毎日ダイエットをしよう!」と決めても、「いつやるのか?」や「なにをきっかけにやるのか?」といった「トリガー」がなくては習慣になりません。
また、「ダイエット」といっても、具体的に何をやるのかが毎日バラバラだと、基底核に記録されることなく流れてしまいます。
さらに、「ダイエットをすると何がいいのか?」という報酬を自分の脳が感じられないと、記録は保存されることはありません。
この3つのトリガーが揃っていないと、行動を開始する時に毎回「意志力」を消耗することになりますが、一日に使える意志力の総量は決まっているので、疲れていたりストレスを感じていたりすると簡単にやめてしまいます。
つまり、「習慣が身につかないから三日坊主」なのではなく、三日坊主になるようなやり方をしているから習慣が身につかないんです。
もし「目標を立てるんだけどいっつも三日坊主で継続が出来ない…」と嘆いているかたは、目標の「トリガー」「ルーチン」「報酬」を見直してください。今まで根性でなんとかしようと思っていた問題が、驚くほどすんなり解決するかもしれません。
場所(帰り道のコンビニ・行きつけの居酒屋)
時間(仕事帰り・土曜の夜)
心理状態(ミスして落ち込む・忙しくてストレス)
自分以外の人物(大学の同期・恋人)
直前の行動(汗を沢山かいた・温泉に入った)