とっさの質問に回答するには、思考の習慣を身につけるしかない。【習慣の科学】

井畑です。

起業茶屋をやっていると「どんな質問にもすぐ答えていますが、どんな練習をしているんですか?」と聞かれる事があります。

僕は天才じゃないのでどんな質問にもすぐに答えているわけじゃありません。ただ、質問いただく内容はだいたいいつも考えている事だから答えられるんです。

とっさに返せる答えは、いつも考えている事だけ。

僕は「売れている本」しか読みません。本に関しては超ミーハーです。

有名な本を読んでいると、だいたいどの本も「人間に関する普遍的な事実」と「その本独自の解釈・新情報」で成り立っている事が分かってきます。だから何冊も読んでいると、「人間ってこういうものなんだ」っていうフレームワークが頭の中にできてきます。

一回フレームワークが出来てしまうと、そのフレームワークに沿って情報を読み取り、「この情報はフレームワーク通りだな」とか、「これはフレームワークをアップデートする必要があるな」とかを考えながら理解していきます。

つまり、いつも一定のフレームワークを考え続けているんです。だから、僕の返答は実はワンパターン。自分がいつも考えているフレームワークに当てはめて、それに沿った回答をするだけです。起業茶屋に何回かご参加くださっている方であれば「あっ、この話は前にも聞いたことがある」と気づくと思います。

僕がすぐに質問に答えられるのは、フレームワークが出来ているからなんです。思考の習慣が出来ているとも言えます。

フレームワークを作るには、アウトプットが必要

この話をすると「じゃあおすすめの本を教えて下さい!」と言われるのですが、一つ注意が必要です。本を読むだけで思考の習慣を作るのは非常に非効率的です。

僕たちの脳は、神経回路の繋がりによって思考をします。神経回路は最初は弱い結びつきですが、何度も何度もその回路を使っていると、使うたびにニューロンの結びつきが深くなっていきます。

だから、何回も同じ情報を使う必要があるのですが、これにはアウトプットが欠かせません。インプットだけでは駄目なんです。

インプットだけじゃだめな理由①:情報が異なる

インプットだけじゃだめな理由その①は、全く同じ情報が書いてある本は、一冊もないので、本により情報が異なる点です。

冒頭に「有名な本を読んでいると、だいたいどの本も『人間に関する普遍的な事実』と『その本独自の解釈・新情報』で成り立っている」と書きましたが、それは全体感での話で、情報の細部や書き方は一冊一冊で異なります。

そうすると、読んでいるだけだと同じ情報にふれる回数が少なすぎるため、ニューロンの結合はなかなか強くなりません。

では、同じ本を何回も読めばいいかというと、今度は別の障壁が待っています。

インプットだけじゃだめな理由②:飽きる

同じ本を繰り返し読むと、待っているのは「飽き」です。

人間の脳は「ギャップ」に対して刺激を感じます。ギャップが大きければ大きいほど強い刺激となるので、普段と違う情報ほど印象深いんです。

例えば、今部屋のベッドがどういう状態になっているか覚えていますか?シーツのシワは間違いなく毎日違っているはずですが、覚えている人は誰もいないでしょう。

繰り返し読めば読むほど、脳にとっては「慣れ」が出てきます。そうすると最初のときに感じた感動や興奮も薄れ、流し読みになっていきます。何十回も繰り返せばそれでも効果はありますが、非効率的であることに変わりはありません。

アウトプットは習慣の思考を身につける最良の手段

自分の考えをアウトプットするのは、思考の習慣を身につける最良の手段です。

考えをアウトプットするためには、考えを頭の中でまとめる必要があります。そのために頭の中では、自分の知っている知識を掘り返して一つのまとまりのある主張にしようとがんばります。その過程で神経の結合は強くなりますし、思い出せない情報は調べ直してさらに強くなります。

アウトプットをしている間に、つながりがおかしいと感じると、また考え直して流れを整えます。

アウトプットという行為を行うことで、何回も何回も情報を行ったり来たりするので、神経回路の結合はどんどん強くなります。

アウトプットをするのが、思考の習慣を身につけるのに裁量の手段なんです。

まとめ:トークに自信がない人ほどアウトプット

冒頭でお話した「どんな質問にもすぐ答えていますが、どんな練習をしているんですか?」という質問をくださる方は、だいたいご自身のトーク術に自信がない方です。

そういう方ほどアウトプットをどんどん繰り返しましょう。トークでアウトプットを行うのもいいですが、最初はうまく出来ないと思うので、ブログやTwitterなどでの文章でアウトプットをするのもおすすめです。

アウトプットを繰り返すうちに思考の習慣が身についてくるので、どんどんアウトプットそのものも楽になっていきます。

思考の習慣を身につけている人を一般的には「専門家」といいます。ぜひみなさんも思考の習慣を見に付けて、プロとしての仕事をやっていきましょう。

現場からは以上です。

この情報をシェアしませんか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA