こんにちは、井畑です。
今回はお客様の深層心理を理解するための「ラダリング法」という調査方法をご紹介します。
心理学者ザルトマンは、「人間の心理の95%は無意識である」と言っているように、深層心理の把握は難しく、かつ重要です。
ラダリング法を使えば、そんな無意識の領域に踏み込み、お客様の「価値観」を明らかにすることが出来ます。
ラダリング法
ラダリング法とは、属性価値(具体的な価値)から「なぜそれが必要なのか?」という質問を繰り返すことで、「感覚的な価値(機能的)」→「情緒的価値」→「生活価値」へと掘り下げていき、最終的にお客様の「価値観」と結びつける手法です。
この手法を使うことによって「お客様がどんな心理的欲求で製品を選んでいるか」を知ることができ、より深い購入動機をつかむことが出来ます。
※下位の概念から上位の概念へ、はしごをかけるように登って行くので、ラダリングといいます。
ラダリング法のメリット
・表面的な価値から、深層心理に潜む「価値観」を引き出すことが出来る。
・お客様の価値構造を捉えることが出来る
ラダリング法のデメリット
・連想を繰り返すために、漠然とした答えになりやすい。(「飲みやすい」「美味しい」等)
・深く掘り下げていくために、時間がかかる。
・上位概念(価値観)に近づくほど、回答者に自身がなくなり、声が先細りする。
評価グリット法
ラダリングの派生系の一つに、「評価グリット法」というものがあります。
評価グリット法は、人が何を知覚して、その結果どのような評価をしているかを特定する分析法です。
ラダリング法が一つの「商品・会社」についてのイメージの連想だったのに対し、評価グリット法は、2つの製品の対比から「価値観」を導きます。
具体的手法
2つの評価対象を示し、どちらが好ましいかを判断してもらうことから評価グリッド法はスタートします。
例えば「スターバックスとタリーズだったらどちらをよく利用するか?」というものです。
答えが返ってきたら、「なぜそちらを選んだのか?」と「理由」を聞いて下さい。多くの場合、2つのうちから一つを選ぶときには、「情緒的価値」を答えてくれます。
後はラダリングを行ってください。返ってきた「理由」に対して「なぜそれが必要なのか?」を聞けば「価値観」が、「そうなっているには具体的には何が必要か?」を聞けば「機能的な価値」や「属性」を答えてくれます。
評価グリッド法がラダリング法に比べて優れている点
・2つのものを比較するため、頭の中で具体的なイメージが起こり、結果として具体的な返答が得られる。
・「情緒的価値」=「はしごの真ん中」を答えてくれるため、上にも下にも行きやすく、時間も短縮出来る。
まとめ
ラダリング法・評価グリット法をうまく利用し、お客様の「価値観」を掴みましょう。
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