PDCAサイクル に関する情報は、誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
経営者やマネージャーならば、聞くだけでなく、詳細を学ぼうとしたことがあるかもしれません。
そんなPDCAサイクルを日頃、利用している方も多くいらっしゃると思います。
PDCAサイクル を「 成長のサイクル 」として活用できていますか?
現在、インターネットや書店を探せば、PDCAサイクル に関する情報は大量に見つかります。
しかし、成長のサイクルとしてPDCAサイクルを活用するために必要な3つの説明 をしていないものが大量にあることに気がつきました。
- PDCAサイクルの起点と要点は “ C ”
- PDCAサイクルの “ A ” は『 処置 −Act− 』
- PDCAサイクルになっていない5つの症状
この3点は絶対に必要なことなので、説明させて頂きます!
今回は組織活動における PDCAサイクルと注意書きを添えてお伝えします。
PDCAサイクルの概要
まず、PDCAサイクル を1番 簡単にまとめます!
PDCAサイクル を適切に回すことで、「 より早く目標を達成する流れ 」を生み出すことができます。
流れ とは、組織を継続的に成長させる強力な過程 のことです。
高回転(ハイサイクル)になるほど、より効率よく効果的に成長することができます。
適切に回せているなら、必然的に高回転になります。
不適切ならば、高回転にはなりません。
高回転になるほど、目標達成を妨げる障害に直ちに気付くことができ、その後素早い対応が可能になります。
あなたは『 より早く目標を達成するための成長過程 』を生み出すために、PDCAサイクルを活用できますか?
サイクルの起点と要点は “ C ”
サイクルの起点及び要点はPDCAのどれでしょうか?
日頃、PDCAを扱っている人でも、この2点を考える機会はあまりないと思います。
結論から申し上げますと、PDCAサイクルの起点・要点は “ C ” の『 検証 』です。
なぜなら常に現状を理解していなければ、適切な活動に取りかかることはできません。
PDCAサイクルには、「最初から導入する場合」と「途中から導入する場合」があります。
そのどちらにおいても、導入時にやるべきことは、現状の検証です。
“ C ” をサイクルの軸に据えることで、『組織を継続的に成長・改善させる強い流れ』が生まれるのです!
よく挙がるのがPの計画ですが、計画をどのように策定しますか?
効果的な計画を立てるために検証が必要なのです。
“ C ” を起点としてPDCAサイクルを順に見てみましょう。
① Check:検証
組織の目的や方針に基いて、現状(の活動が適切か)を検証します。
『KPI設定/管理サイクル』では、導入時に、組織の目的・方針に基いて現状を検証し、KPIを設定します!
② Act:処置
検証を踏まえて、対象層の『 活動方針 』を決定します。
『KPI設定/管理サイクル』では、KPI設定 及び 再設定 を『Act:処置』に位置づけています。
この『Act:処置』については、次の章で詳しくお伝えします!
③ Plan:計画
活動方針に基いて、対象層の活動計画を策定します。
④ Do:実施
計画に従い、対象層の業務を実行し、状況を測定します。
真に計画を立てる場合には、必ず『 検証 』から始まるということです!
サイクルを更に理解するためにも、“ A ” の役割について、次の項目で考えてみましょう!
PDCAサイクルの “ A ” は『 処置 −Act− 』
結論は、『 処置 −Act− 』という言葉を使いませんか?という要望です。
日本中に蔓延している “ A ” に関する次の2点に意見があります。
- 『 行動( Action ) 』と認識していること
- 『 改善 』と認識していること
①『 行動( Action ) 』と認識していること
まず英語に注目すると、Plan・Do・Checkと動詞で並んでいて、なぜ『 Action 』という名詞が来るのでしょうか?
また、『実施(実行)』と『行動』が並んでいると、その違いが直感的には理解できません。
その後のPDCAに対する理解も妨げることになります。
余談ですが、PDCAサイクルの発案当初はActionだったそうですが※1、しっくりくることはありません。
しっくりとした説明をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい!
※1『 PDCAサイクル 3つの誤読 』参照
(大学評価に関する書籍ですがPDCAについて部分部分細かく記載されています)
②『 改善 』と認識していること
PDCAサイクルでは、サイクル全体を通して改善を促しています。
しかしとある現場では、マネージャーさんが「 A = 改善 」とし、無理矢理に改善策を提案させている場面を隣で見ていたことがあります。
そのマネージャーのやり方は違うと思いました。
なぜなら無理に改善策を挙げても、殆どの場合、部分的な改善にしかならず、全体の改善や成長には繋がらないからです。(全体最適を参照)
大切なことはPDCAサイクルを回す中で継続的に改善することです。
今、 “ A ” がやってきたから何かしら必ず改善しようということではありません。
“ A ”の役割としては、状況などを勘案して『 活動方針 』を決めることが要点です。
これ即ち『 処置する 』ということです。
ちなみに方針は仮説で構いません。
Act において『 活動方針 』を決めることで、Plan において『 行動計画 』を立てることが可能になります。
改善については、『 改善策を練る 』と考えて計画の中に含まれます。
前項と合わせてまとめると『 C:検証 ⇒ A:処置(活動方針)⇒ P:計画(改善策)⇒ D:実施 ⇒ 』という流れになります。
(Key-Performanceの KPI設定/管理サイクルでは、実際に計画の中に、『 改善策 −Kaizen−』を登場させています。)
重要な参考情報として英語版ウィキペディアを参照します。日本語版には記載されていない内容です。
状況が基準(図中のStandardの位置)よりも向上・改善したことが検証によって明らかになった場合、今後の活動はどうすべきか新基準及び方針を決定します。状況が向上・改善していない場合は、既存の基準の場所に留まります。いずれの場合も、検証で得られる情報や経験は、将来のPDCAサイクルにつながります。(PDCAを教える人もがACTは調整や是正措置を行うことが含まれることを表明していることに注意してください…しかし、一般的にはカウンタPDCAを提案し、適切な計画フェーズを使用せずに、代わりの変化に決定、またはそれらの新しい標準にするために考えているだろうDOとのチェック工程を経ることなく、ベースライン)。(超訳:筧田)
PDCAサイクルになっていない5つの症状
先日、「PDCAサイクルを利用したんですけど、良くなりません」という会社のマネージャー職をされている方とお会いしました。
効果がでない理由とPDCAサイクルの問題点を、その場で話し合いました。
具体的な内容の話を進めたところ、そもそもサイクルを回していないことが原因で、PDCAサイクルの問題点ではないことが分かりました(笑)
『 PDCAサイクルを回せていない5つの症状 』を、注意点として、簡単にお伝えします。
① CCCC
検証!検証!検証!検証!…
頭でっかちでは、先に進めません。
検証した結果、得られたものを活用してください。
② CACA
検証、処置、検証、処置…
計画と実際の活動がなければ、成果は上がりません。
もちろん成長もありません。
③ PPPP
計画!計画!計画!計画!…
活動しなければ成果は上がりません。
成長も検証も何もありません。
④ PDPD
計画、行動、計画、行動…
検証も処置もなければ、モノゴトは改善されないでしょう。
ぜひ行動の成果を正当に評価してあげてください。
PDPDは意外と多いので注意してみてください。
⑤ DDDD
行動!行動!行動!行動!
行動だけで思考がないため、効果が低く効率が悪く、良い成果は期待できません。
まず1度、立ち止まり考えてみましょう。
必要があれば第三者に客観的に評価してもらいましょう。
「グサッ」となったマネージャーさんもいらっしゃるのではありませんか?
PDCAサイクルを活用させたい方は、あなたが知っているPDCAサイクルと実際の活動の流れを、一致させましょう!
『 成長のサイクル 』としてPDCAサイクルを活用できますか?
以上の話で、これまで考えていたPDCAサイクルとは、随分違うイメージになったと思います。
世の中には、PDCAサイクルを「利用価値がない!」という方もいれば、私のように成長・改善のサイクルとして活用できるという人もいます。
「利用価値がない」と仰る方には、「本当にPDCAサイクルを活用したことがあるのか?」「どのように利用して、価値がないと感じたのか?」そのことをお聞きしたいです。
PDCAサイクルを、ぜひ『 成長サイクル 』として活躍させてあげてください。
よろしくお願い致します!
追伸
私事ですが、仕事ではもちろん、個人的にも日記帳を用いてPDCAサイクルを活用してきました。
父が工業系の会社に努めている影響もあって、15年間、日記帳の中でこっそりと(笑)(事実です。)
その中で、『 PDCAサイクルの起点は “ C ” 』『 PDCAサイクルの “ A ” は処置 』ということを身に沁みて理解してきました。
最後に、PDCAサイクルさん、これからもお世話になります!
“ いいものだらけ ”の世の中へ。
代表取締役 CEO
筧田 聡 Satoshi Kakehida
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