起業家の仕事づくりを着実に進める筧田です。
私の地元は茨城県の県南にある阿見町です。上野駅から最寄りのひたち野うしく駅までは約50分、比較的、東京にアクセスしやすい地域だと思っています(笑)
2017年2月、阿見町を通る圏央道(首都圏中央連絡自動車道)が全線開通しました。圏央道は常磐自動車道や東関東自動車道につながっています。圏央道の開通によって、超優良企業であるアイリスオーヤマが、阿見町内の工業地帯に国内最大規模の工場・物流拠点倉庫をつくりました。
その関係もあって、先日アイリスオーヤマグループの会長である大山健太郎氏の講演会が、阿見町の本郷ふれあいセンターで行われたのです!!
今回は、講演内容に触れつつ、アイリスオーヤマさんの紹介をしたいと思います!
『アイリスオーヤマ株式会社』とは……
・宮城県仙台市青葉区に本社がある(1972年までは大阪府東大阪市だった)
・1958年4月創業(法人化は1971年)
・生活用品の企画・製造・販売
・業界最大手の企業であるが、上場しておらず、また中小企業に分類されている
※会社法における大会社の要件「資本金5億円以上」「負債200億円以上」を満たしていないため
・クリア収納ケースがバカ売れし、会社が大きく成長した
・売上は不況に関わらず右肩上がり(グループ総売上高 3,460億円)
・グループ総従業員数 11,028名
※数字は2017年1月現在
アイリスオーヤマグループ会長『大山 健太郎』さん
19歳のとき(1964年)に、父の大山森佑さんがいきなり亡くなったため、経営のノウハウを何も学んでいない状態で社長を引き継いだそうです。
本人曰く、「こんなに長く、現場で社長業をしている人はいないんじゃないかな。」とのこと。現在72歳(1945年7月3日生まれ)、つまり53年間、社長業。凄すぎる。
講演会では、「お父様から引き継いだ成功の秘訣はありましたか?」という私の質問に対し、「何もありません(笑) 何も引き継がず、全部自分で積み重ねてきました。本もほとんど読んできませんでした。」とのことでした。
毎年1000点の新商品やモデルチェンジ品を生み出す、アイリスオーヤマの商品開発
アイリスオーヤマは、『快適生活』をキーワードに、生活者の潜在的な不便・不満を解消する技術革新によって事業を展開してきた。大山会長曰く、『生活者第一のものづくり』=『ユーザーインの商品開発』とのこと。
しかも、販売している商品の5割以上を3年以内に発売された新商品になるよう、重要な指標としている。常に今の時代に応えた商品ばかりになる仕組みがここにある。ちなみに講演会では2017年の実績は62%だそうです。凄いですね(*・ω・*)
結果として毎年1000点以上の新商品を発売しているとか。Wikipedia情報で恐縮ですが、
企画から新商品発売までの速さは他社の2倍の速さになるとアイリスオーヤマの常務取締役研究開発本部長は語っている。社長を始め、経営陣、各部署の関係者約50人を前に新商品企画のプレゼンテーションを行う「新商品開発会議」が週に1回開催され、企画の可否が決定される。また、「伴走方式」と呼ばれる商品開発、知的財産、応用研究、品質管理、生産技術といった通常なら順に行われる各部署の作業が同時並行で行われることも、新商品発売までの期間を短くすることに貢献している。
ではアイリスオーヤマが、私たちの生活に対して、具体的にどんな変化をもたらしたのか。生活の既存概念を変えてきたアイリスオーヤマの歴史として、代表的な商品を見ていきましょう!
養殖用ブイ(1966年)
ガラス製だった既存製品をより扱いやすいプラスチック製に転換し、日本中の漁協に展開しました。会社の売上を大きく伸ばした最初のオリジナル商品。
育苗箱(1970年〜)、プランター/プラスチック植木鉢(1980年)
手植えから田植え機への移行に合わせて育苗箱を展開。プラスチック製の箱でもよく育つよう開発されました。その後、育苗箱のノウハウを活かし、水はけのよい上げ底メッシュ構造のプラスチック製の鉢を開発。
クリア収納ケース/引き出し式チェスト(1989年)
「しまう収納から探す収納へ」
ケースの中身が見える……今では当たり前ですが、僕が生まれた頃は当然じゃなく、中身を引っ張り出して見つけていたそうです。アイリスオーヤマは、この潜在的な不満に注目し、原料メーカーと共同で透明樹脂を開発。世界初の透明な収納ケースを生み出したのです。
日本で大ヒットした後、海外にもニーズがあると考え、アメリカとヨーロッパで販売。日本と同じく大ヒットし、世界中の収納ケースを透明に変えていきました。
ラティス(1997年)、フルカバーホース(2003年)
「育てる園芸から飾る園芸へ」
アイリスオーヤマのラティス アイリスオーヤマのフルカバーホースリールを見ていると、取っ手、カバー、狭いベランダでも扱いやすそうなサイズ……のように、顧客の不満を解消すべく、設計開発を重ねていったんだろうなと、元設計士の私は思うのでした☆
ペットシーツ/犬舎/猫トイレ/猫砂(1987年)
「番犬からファミリーへ」
当時、犬は、家族ではなく、家畜と同じように飼われていました。そこで、室内用ペット商品を充実させ、ペットを家の中で家族と同等に迎え入れられるようにしました。
サラッと言いましたが、考えてみてください。家の外で番犬として飼われていたワンちゃんが、家族になるということを。
イルミネーションライト(2000年)
消費電力が少なく、熱を帯びないLEDを使って、冬の夜を彩るガーデニングライトをLED化しました。
サラッと言いましたが、考えてみてください。part2。電気代と安全性が高まり、クリスマスシーズンにはイルミネーションするご家庭、観光スポットが一気に増えたのではないでしょうか。
LED電球(2009年)
イルミネーションライトの技術を掘り起こし、家庭用電球として製品化。アイリスオーヤマは、震災後の節電需要や、鳩山由紀夫がアメリカで言い放ったCO2の25%削減の国際公約による需要に、LED電球の普及で応えてきました。
ちなみにLEDシーリングライトで、2012年,2015年,2016年に省エネ大賞を受賞している。
開発では、LED電球の金額を、節電によって1年間で節約される電気料金と同じ金額に設定することから始めたそう。具体的には、他社が4000円だったところ、1年で節約される電気料金と同じ2000円に設定したそうです。それによって、「1年で元を取れるならLEDに変えてみよう」という素敵な選択肢を提供し、LED市場のシェアを伸ばしている。
IH炊飯ジャー(2016年)
被災地東北の復興支援のために、米(2013年)と餅(2014年)の販売を開始。そこで生まれた精米ノウハウを活かしてジャーを開発したそうです。
大山会長曰く、「名前は出しませんが、他社よりも美味しい炊き上がりです」と自信を持って語っていました(笑)
企業理念「健全な成長を続けることにより社会貢献する」
世の中は常に変化しており、想定外の出来事も起こります。
移り行く時代の変化にスピーディに対応し、グループ力を最大限に活用すること。
それが新しい需要と市場を創造することであり、私たちの使命だと考えます。アイリスグループ会長 大山 健太郎(会長あいさつより)
アイリスオーヤマのまとめ
こうやって商品の歴史を見ると、どの商品についても「(既存概念)から(新しい概念)へ」という明確なコンセプトを持って開発していたことがわかります。ユーザーインの商品開発、私たちも学ぶことが沢山ありました。商品開発の手順として具体的におっしゃっていたのは、① 顧客の課題、② 普及する価格設定、③ 納得できる機能。また内製化・自動化を追求することで安くつくれるように工夫してきたそうです。
重要な話として、企業がユーザーインによる需要創造の姿勢であれば、景気に左右されず利益を出せるとおっしゃっていました。アイリスオーヤマさんを参考に、素晴らしい経営をしていきましょう!
“ いいものだらけ ”の世の中へ。
代表取締役 CEO
筧田 聡 Satoshi Kakehida
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