持たざる者の強みを認識する。【ルーキー・スマート】

井畑です。

経験を積んで大人になればなるほど「失敗」を恐れます。

時には「人様に迷惑をかけられない」とか「中途半端なことをやるのは自分の信念から外れる」とか、聞こえのいい言い訳を使って失敗から逃げることがあります。

失敗が怖いからこそ、「経験」や「自信」がついてから挑戦しようとする人はたくさんいますが、それはとても貴重な機会を自らドブに捨てるようなものです。

「持たざる者の強み」が存在します。その強みは特に今のような不安定な世の中で得に価値を発揮します。

失うものの無い強さ

「自信」も「経験」も「実績」もないということは、「失うものがない」ということです。

だからこそ新しい可能性を受容し、身軽に新しい世界を探索し、一途に行動できます。既存の成功パターンにはまり込まず、現実に適したやり方を模索できるのは何にも代えがたい強みです。

ベテランの場合…

ベテランは管理人のように行動しがち。経験や成功のせいで、現状を維持しようと考えてしまう。

周囲の状況に敏感

何をしたらいいのか分からず、ノウハウもほとんどない時は、周囲の状況を理解しようと務めざるを得ないです。

結果として周囲の状況に目を配り、他の人達にアドバイスを求め、目の前の困難に立ち向かう力を手に入れやすくなります。

調査の結果、ルーキーはベテランに比べて5倍以上の専門家に接触しており、短期間で効果的に専門知識を得ることができます。

ベテランの場合…

自分には知識があるという自負があるので、新しい情報を得ようとしない。勝手知った場所から動こうとせず、代わりに誰かにアドバイスしたがる。

慎重さと敏捷さを兼ね備える

自信が無いのと慎重に振る舞わざるを得なくなる一方、早く実績を証明したいという強迫観念も強く働くので、パフォーマンスを高めようと知識の不足を補うために素早く行動する。

そのため、慎重にして敏捷な動きができるようになります。

ベテランの場合…
マラソンランナーのように一定のペースを守って長距離を走ろうとし、自動操縦のモードに入りやすい。緊張感なく走り続けたり、重要な利害関係者に相談せずに大きな一歩を踏み出す。質の高い仕事が出来ていると思い続け、自分のペースを崩さず淡々と進む。

あるものでなんとかする力が磨かれる

潤沢な資源や経験がない場合、物事をシンプルにし、もっとも重要なニーズを満たすことに集中するしか生き残る道がありません。

そのため、状況に対しアドリブで対処し、必要最低限のものを確保するために奮闘します。

結果、新しい領域を自分のものにし、あとに続く人たちのために価値を生み出すことで、世界を広げていく、開拓者のように力強く前にすすむことが出来ます。

ベテランの場合…

すでに地位を確立して多くの資源が手に入るので、特定の場所に根を張り、定住者のように行動する。

安泰な地位があるので快適な場所から出ようとしない。既存の手順に従い、すぐに得られる成果を得ようとする、快適と消費の思考パターン。

ベテランは平時に力を発揮し、ルーキーは変革期に力を発揮する。

ベテランの強みは「経験」です。経験があるから未来を予想し、それに対して最適な行動を取ることが出来ます。

ですが、社会全体が大きく揺れ動く時代ではその経験が足を引っ張ることがあります。

特に今のように「非常事態宣言」が出るような、誰も経験したことのない世の中ではなおさらです。

経験が通用しない世の中では「持たざる者」、つまりルーキーが活躍します。

どうか今経験や自信のなさから行動をためらうのではなく、「持たざる者の強み」を信じて行動を起こしてみてください。