井畑です。
感情、大切ですよね。行動を起こす気持ちの源。これが無くなった状態がいわゆる「うつ病」です。
ですが、僕たちが「目標達成」に向かって努力する時には、感情に対して注意が必要です。
脳みそは感情というツールを使って上手に僕たちを騙している可能性があります。
脳はとにかく省エネが大好きなので、出来る限り僕たちに省エネをさせようとさせる。
— 井畑太佑 Key-Performance inc. (@ihata1567) May 24, 2020
しかも、脳の中では「その日を無事に生き残る」って思考が一番強く働くから、「目標達成」に向けての気持ちはいつも後回しにされがち。
さらに脳はそのシグナルを「感情」に乗せて出してくるからもうたちが悪い。
僕ら先祖の生存競争。
僕たちの脳は経験したことのあるものを処理するほうが、未経験の事を処理する事に比べてはるかに省エネです。生き物にとって消費エネルギーを出来るだけ抑えるっていうのは、生存競争の中で非常に重要です。
なので、人類の進化の過程で、出来る限り省エネな事を選ぶ事に対してインセンティブを感じる遺伝子が残ってきました。
その遺伝子に組み込まれたシステムは、「脳は負担の少ない行動に対して「好意的」とか『信頼出来る』とか『親しみやすい』といった、好印象を感じやすくなる」というものです。要は「そっちを選んだほうが気分がいい」っていう状態です。
僕たちの脳は
— 井畑太佑 Key-Performance inc. (@ihata1567) May 24, 2020
・慣れてること
・わかりやすいこと
・便利なこと
・やったことのあること
が大好き。だって省エネだから。
だから、僕たちがこっちを選択するように「そっちの方が信頼出来る」とか「そっちの方が好感触」とかの、感情的なシグナルで攻めてくる。
例えば、僕はパソコンはMacを使っています。Macが大好きで信頼出来ると思っているのですが、Macは使い方が直感的で使うのがWindowsに比べてすごく楽なんですよね。もしMacの使い勝手が悪かったらこんなに僕は好きにならなかったと思います。
この、簡単に出来るものやことに対して好印象を受けるシステムは、日常生活で生きていくにはプラスに働きます。脳が出来るだけエネルギーを節約して効率的に動いてくれた方が、僕たちとしても嬉しいですよね。
でも、ここで注意が必要です。
何か達成したい目標がある時。僕たちの「理性的」な目標と、脳が目指す目標が食い違う事があります。
認知容易性の落とし穴。
僕たちには省エネな行動を優先する遺伝子が組み込まれています。その遺伝そは僕たちがまだ狩猟採集民族だったときからの遺伝なので、「今日を生き延びる」事に特化しています。
一方、僕たちが「未来の目標」を決められるようになったのは比較的最近です。言語と物語によって、実在しないものをイメージする事が出来るようになったおかげで、僕たちは「未来の目標」を決める事が出来ます。
「今日を生き延びる」能力の方が先輩で、「未来の目標に向かう」方が後輩です。どんな社会でもそうですが、基本的に後輩よりも先輩の方が強いんです。
その弊害は、例えばこんなふうに起こります。
どうですか?思い当たる節がある方も多い事例ではないでしょうか?
この判断、一見問題ないように見えますよね?自分の感情を優先して、筋が通ってるように見える。
でも、問題は「目標達成に向けての合理的な判断」になっていないという点なんです。
具体的には「辛い思いをして書いた文章なんて人に響かない」という一文は、どんな根拠をもとに出てきた情報でしょうか?仮にそのデメリットがあったとしても、それは「1日1記事→3日で1記事」に変更したデメリットよりも小さいのでしょうか?
脳からしてみたら、「無理やり頑張ってその場の生存に関係のないブログを書くなんて、なんて省エネじゃないんだ!」って感じなんです。だから、その判断を変更させようと感情によってシグナルを送ります。理性は後輩、感情が先輩なので、勝負になったら最後は絶対感情が勝ちます。
僕たちが感情によって「もっともらしく感じること」の多くは、脳が省エネのために出している情報であることが多いため、目標達成にむけて全然合理的じゃない場合があります。
普段はいいんだけど、目標達成に向けての辛い行動を拒む癖があることが厄介。
— 井畑太佑 Key-Performance inc. (@ihata1567) May 24, 2020
そういう時に脳は「○○の方が効率がいいから〜」とかの、「もっともらしい言い訳」を繰り出してくる。
もっともらしい言い訳をしている時が、感情を殺すタイミング。
とはいえ、やはり感情は大切にしないといけません。自分の感情と真逆の事をしていたらいつかおかしくなってしまいます。
感情を大切にしながらも、目標達成に向けて時には感情を殺す。その塩梅はどこでつければいいのでしょうか?
僕がオススメしているのは、「もっともらしい言い訳をしている時」です。たとえばさっき例に出した「辛い思いをして書いた文章なんて人に響かない」という言い訳ですね。
もっともらしい言い訳をしている時は、脳もそれなりに頑張っています。
「こいつがいまやろうとしていることは理に叶っている。単純に『やりたくないからやめろ』とシグナルを送っても理性で押さえつけられてしまうだろう。ここはこちらも同じく合理的に見えるようなシグナルを出して、うまくこいつの消費エネルギーを減らそう……」みたいな感じです。
逆に僕たちはそれを逆手に取りましょう。「もっともらしい言い訳」をしている時は、脳が僕たちを騙そうとしている時なんです。それはあなたの価値観や心の声じゃなく、脳の省エネセンサーの働きです。
その時には、感情を殺しましょう。
大丈夫。そこで殺した感情は脳の省エネセンサーの声です。むしろその声に従ってしまったら、あとで自己嫌悪が待っています。
本当の自分の感情を大切にするために、殺すべき感情があります。
もしもっともらしい言い訳を自分がしているなと思ったら、その時は感情を殺す時。
— 井畑太佑 Key-Performance inc. (@ihata1567) May 24, 2020
その感情に従うと動物らしくは生きられる。
けど、一つの人格をもった人間らしくは生きられない。
ブログを1日1記事書こうと決意。でも、だんだん辛くなってくる。そうすると「辛い思いをして書いた文章なんて人に響かない。3日に1記事にして楽しく書いたほうがいい!」と思うようになり、結局3日に1記事に変更してしまう。