天才になりたかったら、はじめの一歩のハードルをバカバカしいくらい下げる。【習慣の科学】

井畑です。

みなさんは凡人ですか?それとも天才ですか?

どっちの認識にしろ、何かの分野で成果を残したい人がとりがちな行動の一つに「やたら高い目標を設定する」というものがあります。

例えば「俺は天才だから一日にこれくらいはやって当然」とか「自分は凡人だから才能のある人に追いつくためにこのくらいはしなければ……」とかです。

ですが、「やたら高い目標」を設定する人はだいたい失敗します。

今回の記事は「やたら高い目標」という呪いからみなさんを解き放ち、天才への第一歩を歩み始めてもらうことを目的にしています。

天才の条件は「当たり前の継続」

天才という言葉を聞くとどんなイメージを持ちますか?

生まれ持って優れた才能があったり、眠っていた才能がある時急に開花したり、漫画や映画の影響で、僕たちの天才に対する印象はだいたいこんな感じです。

ですが、現実世界の天才はすごく地味。というよりみなさん自分の事を天才じゃないとおっしゃいます。イチローにせよ村上春樹にせよ、天才と呼ばれる人は自分の事を「最初は才能がなかったけど、努力したら才能が作られていった」と認識しています。

つまり、才能というのは「努力を継続した先で作られるもの」です。天才は作れるんです。

そして、その努力を継続する一番の鍵が習慣化です。習慣化さえすれば、努力をいちいち「するか?しないか?」と考える事もなく黙々とこなしていきます。

そして、その習慣化の大きな敵が「やたら高い目標」なんです。

やたら高い目標がもたらす「困難の自覚」

やたら高い目標は「困難の自覚」をもたらします。

例えば「ブログを毎日3本ずつ書く!」という目標を立てたとします。はじめのうちはネタもあるし気合もあるのでなんとか達成できるかもしれません。

でも、何日か続けるとそのうちネタが尽きてくるので、ネタを探しながらブログを書き続けなければいけなくなります。そのうちに時間もなくなり追い詰められ、消耗しきった頭で意識も朦朧としながらなんとか達成する。

そうすると、次に取り掛かるときに、時間がなくて追い詰められる時の切迫感や、ボーッとする頭を振り絞って文章を書くキツさが始める前からありありと思い出されてしまうので、とりかかるのに気乗りしなくなります。そして始めるのが億劫になり、適当な言い訳を作り出して結局辞めてしまいます。

これが「困難の自覚」です。

こんな経験、皆さんにもありませんか?

失敗は自己否定感にもつながる

目標を大きくするデメリットはこれだけではありません。

大きすぎる目標を達成出来ないと自己否定感が生まれます。

「あぁ、今日もまたサボってしまった……」というあれです。

自己否定感は強いストレスなので意志力を損なわせ、その日のその後の活動にも影響を及ぼします。すると他の事もうまく行かなくなり、ますます自己否定感が強くなるという悪循環が生まれます。

「やる気でカバー」の論理的破綻

こういう話しをすると必ず「そこはやる気でカバーでしょ!」という脳筋さんがいるので、その方たち向けにさらっと論破しときます。

人間のやる気を司っているのは脳の「側坐核」という部分なんですが、ここは何かをやり始めないと活性化しません。これを「作業興奮」をいいます。

例えばブログに関して言えば多くの人は「やる気が起きるからブログを書く」という方程式を信じ切っていますが、実際には逆で、「ブログを書きはじめるからやる気が起きる」んです。

なので、何かをはじめる前からやる気は起きないんです。

目標はバカバカしいほど小さく設定

習慣化で重要なのは「トリガー」「ルーチン」「報酬」という記事を以前書きました。

//key-performance.jp/mikabo/

高すぎる目標を設定すると、脳が習慣を行ったあとに得られる「報酬」の結びつきをしっかりと認識するまえに、「困難の自覚」によりはじめるのが億劫になってしまいます。

だから、最初はとにかく「報酬」が習慣としっかり結びつくように、ハードルをバカバカしいと感じるくらいまで下げましょう。

例えばブログだったらまずは「パソコンを開く」とかです。とにかくまずは習慣を作ることが最優先。ここまでハードルを下げれば「自己否定感」を感じる事もありません。

「せっかくだからもう少しやろうかな……」が働く

バカバカしいくらいハードルを下げるメリットはまだあります。

先程の例で言えば「せっかくパソコンを立ち上げたのだから、少しだけブログ書いてみようかな……」という気分になります。人間には「サンクコストバイアス」といって、それまでに費やした労力やお金・時間を無駄にしたくないという気持ちが働きます。

なので、「せっかくパソコンを開いたのに、なにもしないのはもったいない……」と潜在意識に感じさせ、意志力を使うことなくブログを書き出せるようになります。

目標設定のコツ:下げるべき3つのハードル

では、バカバカしいくらいにハードルを下げるといっても、具体的にどんな目標設定にしたらいいのでしょうか?

僕たちが下げるべきハードルは3つ。「距離と時間」「手順」「心理」です。

「距離と時間」

例えば、運動の習慣をつけたいときに「車で40分のジム」にいくのは習慣にはなりづらいです。その「40分」のハードルにみんなくじけてしまいます。

だから、最近ジムって町中のどこに行っても見かけませんか?(茨城はエニタイムフィットネスだらけになって来ましたね………)

ジムの経営者たちは、ジムまでの移動時間が習慣化を妨げる事を知っているんです。習慣化がされなければそれだけ退会も増え、その分の新規顧客獲得のコストも増えます。

だから、その「時間」のハードルを下げるために街の至るところにジムをオープンしているんです。

先程のブログの例でいうなら「カフェでブログを書く」よりも「家でブログを書く」方がハードルは下がっていますし、もっというと「ベッドで寝ながらブログを書く」ほうがさらにハードルは下がります。

「 手順」

ハーバード大学のショーン・エイカーさんが「20秒ルール」というものを提唱しています。

人間は取り掛かるために必要な手順が今までより「20秒」短くなれば積極的に取り組むようになり、逆に今までより「20秒」長く慣ればその行為に対して消極的になります。

例えば朝ランニングに行きたいと思ったらランニングウェアで寝るとかです。ブログだったらパソコンの電源を常につけておくとか、起動のめっちゃ速いiPadで書きはじめるとかですね。

「心理」

例えば「こんなブログ書いたらみんなに笑われる……」とかの心理的ハードルも習慣化を妨げる大きな要因です。

要は「これをやると恥をかくかもしれない……」という恐怖が心理的なハードルですね。

この手の話しは9割は「やってしまえば全然大したことなかった!」というオチになるので「とにかくスタートを切れるかどうか」です。

例えばブログだったら「他人が書いていた記事に対しての自分の意見を書く」とか。これだと文章のうち半分は他人の書いた内容になるので、自分の文章に対する恥ずかしさは減ります。

「自分がなんに対して恥ずかしさを感じているのか?」を分析して、それが少しでも軽減されるような目標を立てましょう。

まとめ:僕たちは天才になれる

天才とは「出来るまで、やる」をひたすら続けた人たちです。

イチローや村上春樹さんレベルになるには相当な量と時間が必要ですが、幸い僕たちが普通に生きていて満足出来るレベルの才能はもっと早く手に入れる事が出来ます。

例えばブログにしたって、2000字以上の記事を毎日投稿するだけでも日本のブロガー上位5%には入ります。

習慣化をはじめるなら早いにこしたことはありません。ぜひ今日、今から「バカバカしいくらいに下げたハードル」の目標を毎日続けてみてください。

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