発信の質が格段に論理的になるPREP法とは?

こんにちは、井畑です。

私、ロジカルじゃないってよく言われるんです。」という相談をよくされます。

でも、「ロジカルじゃない」って言ってきた人に「じゃあ、ロジカルってなに?」って聞くとだいたい答えられないんですよね。単純に「話が分かりにくい」っていう表現の別バージョン。

以前書いた記事で、説明が伝わらないってどんな状態かをご紹介しました。

今回は、「分かりにくい説明」を「ロジカルで分かりやすい説明」に変えるためのPREP法というフレームワークをご紹介します

PREP法に当てはめるだけでプレゼンにせよブログにせよ格段にわかりやすくなるし、「喋ってる間に自分が何を言いたいのか自分でもわからなくなる」という現象も改善しますよ!

この記事の要点
  • PREP法とは何か?
  • なぜPREP法がロジカルになるのか?

PREP法とは何か?

PREP法って言うのは、次の4つの順番で文章を構成することです。

PREP法
  1. Point:要点
  2. Reason:理由
  3. Example:具体例・根拠
  4. Point:要点(まとめ)

この文章構成が人間とってすごく理解しやすいものらしいんですよね。激戦を戦った就活生たちがごっそりTweetしているから間違いありません。

各項目をもう少し詳しく説明します。

Point

意味:要点

イメージ:主張や結論。「ターゲット」と「主張」と「根拠」が一文でまとまっていると説得力のある主張になる。

表現の仕方:「○○は△△である」や「☓☓(ターゲット)には□□をオススメする」のような文章が表現しやすい。

Reason

意味:理由

イメージ:結論に至った理由。複数個あっても良い。具体例とセットにしないと説得力は弱くなる。

表現の仕方:「なぜなら〜」「1つ目の理由は〜」「○○が一つ目の根拠である」のような書き出しだと表現しやすい。

Example

意味:具体例(根拠)

イメージ:結論に至った理由の具体的説明。要点を支える根拠になる必要があるので、自分の体験、(事実)や他者が経験した客観的事実、科学的に証明されている事を説明する。

表現の仕方:「例えば〜〜」「私の経験では〜〜」「○○は誰々も著書で紹介しているが〜〜」のような書き出しだと表現しやすい。

Point

意味:まとめ

イメージ:最初に言った結論を最後にもう一度言う。理由や具体例を挙げた後なので、少し踏み込んだ説明でもいい。

表現の仕方:「なので〜〜」「まとめると〜〜」のような書き出しだと表現しやすい。

PREP法のメリットは何か?

話を伝わりやすくするのがPREP法の目的でしたが、PREP法を使うと具体的に起業家はこんなメリットを得られます。

メリット1:記憶に残りやすい

人間の脳には「プライミング効果」というものがあります。

プライミング効果

人間の脳は、事前に特定の刺激に接することで、特定の知識や感情を活性化させる(プライミング)。プライミングによって事前に活性化した知識や感情によってその後の判断に影響を与える事を「プライミング効果」をいう。

つまり、最初に結論を言うことで、相手の頭を「自分の結論で話を聞くモード」に変えておくこおとで、話を理解してもらいやすくするんですね。

メリット2:その後の話に食いつきやすい

結論を先に出しておけば、プライミング効果を上手く使うことが出来ます。そうすると人間の脳の中は「その話を処理するネットワーク」が活性化しているので、「今からこいつが話す内容は、自分の今までの知識に合致するものだろうか?それとも新情報だろうか?」と答え合わせをするモードになります。

人間の脳は答え合わせが好きなので、結果的にその後の話により食いついてくれるようになります。

メリット3:信頼を得やすい

PREP法では必ず「具体例」を出すことを推奨しています。なぜかというと人間には「利用可能性ヒューリスティック」と言うものが働いているからです。

利用可能性ヒューリスティック

一つでも実例を見つけると、それが全てに当てはまると思い込んでしまう性質。

なので、実例を出す事で自分の話を信じてもらえる可能性がグッと上がります。

なぜPREP法がロジカルになるのか?

そもそも、人間の脳って「感情を動かす部分(大脳皮質下)」と「論理を動かす部分(大脳新皮質)」で働く部分が違うんですよね。この脳の特徴をまとめると以下のようになります。

感情を動かす部分(大脳皮質下)の特徴
  • 反応速度が早い(1/1000秒単位)
  • 無意識で自動的(常にON)
  • 直感的
  • すでに脳にある「連想ネットワーク」で情報を処理
  • 衝動的・感情に支配されて動く
  • 習慣的行為を実行させ、行動を起こす
  • 世界観を決める
論理を動かす部分(大脳新皮質)の特徴
  • 反応速度が比較的遅い
  • 随意的
  • 努力的
  • 自制をつかさどり、時には自動的な習慣的行為や衝動を抑え込む
  • 新しいモデルを学習し、新しいプランを作り、自動的な行動をある程度制御することが出来る。

僕らが情報を伝える際には「大脳新皮質」に対して情報を伝えないといけないんですが、こちらが伝える文章が「結論から始まる」ものでないと、伝える情報を片っ端から「大脳皮質下」の「連想ネットワーク」で自分勝手に処理され、論理的に考えてもらえません。

その結果聞き手としては「あれっ、最初の情報はAだから次はBだと思ったのに、いきなりDに飛んだぞ?んで、Dの次はEだと思ったら今度はCに戻ってるし!!」のような反応を起こすわけですね。(先程紹介したのプライミング効果が悪い方向に働いています。)

だから、「一つの論理的ストーリー」をきっちり作ってあげる必要があるんですね。そのストーリーのテンプレートになるのが「PREP法」なんです。

PREP法とSDS法の違い

PREP法の派生にSDS法というのがあります。

これはPREPのRとEを合体させて一つの要素「Detail (内容・理由)」にしたものですね。

この2つはですね、主張・結論の大きさによって使い分けるんですよ。

PREP法は「大きな主張・テーマで、根拠を複数個用意しなければいけない場合」に使います。こんな感じでピラミッド構造を作るんですね。

それに対してSDSは「小さな主張・テーマで、一つの理由で事足りる」場合に使うんです。だから、PREP法の小規模特化型がSDS法って事になりますね。

先程のTweetで「PREPは何を説明しているのかわからなくなる」というのも、SDSで事足りる規模の説明を、わざわざPREP法っていう大風呂敷で説明しようとすると、そりゃ何を説明したかったのかよくわからなくなりますよね。

PREP法で書かれた具体例

この記事なんかはご本人がPREP法を意識して書いたとおっしゃっているので、ぜひ参考にしてみて下さい。

あなたの仕事がしんどい理由は「クソつまらんゲームを何年も繰り返してる」から。

 

まとめ

PREP法の流れを意識することで自分の言いたいことが格段に伝わりやすくなる!

主張の規模に合わせてPREP法とSDS法は使い分けよう!