会話だけで相手の行動を操る「プライミング効果」【心理戦術】

井畑です。

催眠にかかった味方が敵の催眠術師の言葉通りに動いてしまって「味方は傷つけられない、でも反撃しないとこっちがやられる」みたいなベタベタなシーン。今回はそんな感じの記事です。

あそこまで人を思い通りに操ることは出来ませんが、催眠術師でない僕たちも言葉だけで人の行動を操ることは可能です。

先に結論!

人の思考は直前に何を考えてたかに影響を受ける。これをプライミング効果という。

思考に影響を与えた要因を「プライマー」という。

好きな子と付き合いたかったら、自分に似た主人公の出てる少女漫画見せまくってから告ればいいし(そんなのあんのか?)、契約延長してもらいたかったら一緒に「サブスクリプション」について考えたらいい。

自社にとって都合のいい感情やイメージと自社を結びつけて、お互いをプライマーにしてしまうことを「ブランディング」という。ブランディングはバチクソチートなのでぜひやるべき。

優柔不断なやつのケツを叩いて契約させるためにプライミング効果使うのは全然OK!ただし相手のためにならないもの売りつけるためにやるのは絶対にだめ!

↓本編も読んでね!↓

プライミング効果

いきなりですが、皆さんに質問です。「水族館にいる生き物」を10種類思い浮かべてください。

 

 

さあ、茶番のように始まりましたが、連想の結果はいかがだったでしょうか?マグロやタイ、エビ・カニなどの、どちらかと言えば「お寿司屋さんで出てくるネタ」になっている生き物が大部分を締めていませんか?

人間の脳は何かを考えるときに、ゼロベースで考えるのではなく、その時頭に浮かんでいることから連想を初めます。この効果を「プライミング効果」といい、連想の最初になるものを「プライマー」と呼びます。

先程の「水族館にいる生き物」を考えてもらう前にお寿司の画像を出したのは、みなさんの頭の中に「寿司」というプライマーを用意するためだったんです。

プライミング効果

先行情報に縛られて物事を考えてしまうこと。また、何がプライマーになっていたかを自覚していないケースが多い。

プライミング効果は日常にたくさん潜んでいる

プライミング効果は小学生でも使っています。

シャンデリアって10回言って………りんごを食べて眠ってしまったのは?

っていうあれです。これはすごく単純な例ですが、大の大人の行動にも影響を与えます。

例えば、カレーの匂いを嗅ぐと夕飯にカレーが食べたくなるのもプライミング効果の代表例です。これは直感的に理解しやすいですよね。

プライミング効果はさらに複雑な連想でも効果を発揮します。

例えば、こんな実験。

机の掃除

2つのグループにクッキーを食べてもらう。

片方のチームの部屋は無臭、もう一つのチームはほのかに洗剤の匂いのする部屋で食べてもらう。

洗剤の匂いのするチームは、机の上を掃除する回数が無臭の部屋の3倍に増えた。

つまり、直接的な言葉でない、視覚や聴覚の情報でもプライマーになるということです。

と、いうことはですよ。自分が起こさせたい行動を連想させるような情報を事前に与えておくことで、他者に自分の思った通りの行動を取らせることが出来るわけです。

プライミング効果で人を操る

例えば、社員旅行の行き先を自分の生きたい「広島」にしたいとき。同僚に何気なく「野球興味ありますか?この間のカープとヤクルトの試合とか超熱かったですよ!」と、広島を連想させる情報を刷り込んで置くことで、選択肢の中から広島を選ぶ確率が高くなります。

 

ビジネスでも役に立ちます。例えば僕は契約更新の時期が近づくと、お客様のサービスの中で「サブスクリプション化出来るものはないか?」という話をよくします。サブスクリプションは「継続利用」のサービスなので、お客様の脳内に「継続」を刷り込んでいるわけです。(僕から更新の時期にこの話を聞いた方、すみません。そういうことです。)

 

人間は連想や思い込みで生きている生き物です。だから、その思い込みや連想をこちらの思い通りに操れたら、相手の行動さえ操ることが出来ます。

ちなみに、プライミング効果は恋愛でも効果を発揮します。「いいムードを作れる」って、要は相手がいい雰囲気を連想するようなプライマーをうまく仕掛けられるってことなんです。好きな子と付き合いたかったら、自分に似た主人公の出てる少女漫画(そんなのあんのか?)見せまくってから告ればいいっていうのがプライミング効果の正しい使い方です。

意図したプライマーを作り上げることがブランディング

ブランディングがうまい会社に「NIKE」があります。

みなさん、NIKEといえばどんなイメージですか?

挑戦・クール・ストリート・アスリート………NIKEと聞けばこんなイメージが出てきます。逆に、自分が何かにスポーツやダイエットに挑戦しようと思った時には、ふとNIKEのことが頭に浮かんだ経験はありませんか?

このように、顧客の欲求や感情と、自社のイメージを結びつけて、お互いがお互いのプライマーになるような状態を作ることを「ブランディング」といいます。

ブランディングがうまくいくと、顧客がプライマーのことを考えるたびに一緒に自社のことが頭に浮かびます。広告費もかからない、顧客に広告を見せる必要もない。けれど顧客は自社のことを勝手に思い出しちゃうって、マジチートですよね。

まとめ:催眠は意外と簡単

考えてみれば、人間は催眠術にかかると現実とはかけ離れた動きをしちゃうじゃないですか。つまり、人間の妄想の力って、それくらい強力だってことですよね?

だから、その力をうまく借りて、相手を思い通りに動かしちゃおうって言うのがプライミング効果の使い方です。

相手に損をさせるためにこのテクニックを使うのはいただけませんが、なかなか決心をしない顧客の背中を押すためなら、どんどん使っていきたいテクニックです。

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