起業家の問題発見能力と横断的思考力を同時に鍛えるロードマップ読書術

こんにちは、井畑です。

思考力、高まってますか?思考力が上がったと体感したことありますか?

フェルミ推定とか思考力トレーニングとかの本がいろいろありますが、実際あれで思考力高まったって人見たことないですよね。

そもそも思考力が高いっていうのは………

  • 思考するに値すべき「問い」を持っていて(問題発見能力)
  • 判断基準がハッキリしてて(論理的思考)
  • 特定の分野に関して深い知識があり(専門知識)
  • 持っている知識を組み合わせる(横断的思考力)

っていう4つの能力がある状態を言います。

この4つの中で身につけるのが難しいのは「問題発見能力」と「横断的思考力」です。

問題発見能力は当然「問い」を見つける力

横断的思考力っていうのは言い換えると「抽象化・体系化」するということです。幾つかの事実の中から共通項を見つけ出し、原因・結果の法則を見つけ出す事を言います。

今回の記事では「問題発見能力」と「横断的思考力」を同時に鍛えるための「ロードマップ読書術」をご紹介します。

「ロードマップ読書術」を繰り返し行なっていけば武器として使える思考力を身につける事が出来ます。

ロードマップ読書術とは?

ロードマップっていうのは「目的地までの地図」の事、ビジネスや学習においては「目的を達成するための計画表」の事です。

「問題発見能力」と「横断的思考力」を高めるためのロードマップに必要な要素を分解すると以下の3つになります。

  • 目的地
  • 学習する内容(ジャンル)のピックアップ
  • 学習する本の選択

目的地〜思考に値すべき「問い」を見つける〜

最初に「問」を見つける部分が「問題発見能力」を鍛える場です。

優れた問いに対して優れた思考がついてきます。

じゃあ優れた問いってなんなのか?まずはダメな例を3つ程出します。

  • 日本のポストの数はいくつあるのか?
  • 裁量労働制によって労働時間は減ったのか?
  • スターバックスラテはスターバックスの人気商品なのか?

なんでダメだか分かりますか?

上の3つの問いは、全部調べれば答えが出てしまいます。一番上の問題は「フェルミ推定」の有名な問題です。論理的思考力のトレーニングにはなるでしょうが、いい問題発見とは言えません。(そもそも調べれば分かります。)

他の2つも「具体的事実」の確認になっています。これでは調べ物をして「専門知識」はついても、「問題発見能力」も「横断的思考力」も身につきません

じゃあ、「問題発見能力」のトレーニングになるような問いとはどんなものか?上の3つの例を改良してみるとこうなります。

  • 日本のポストの数は何個が適切なのか?
  • 裁量労働制をどのように導入すれば労働時間を減らす事が出来るのか?
  • スターバックスラテは人々に好かれているのか?

改定前と改定後の違いが分かりますか?

改定前は答えが「具体的事実」だったのが、改定後の答えは「主張・提案」になっています。

思考能力とは「自分で考える力」、言い換えると「自分の意見を主張・提案する力」なんです。だから起点となる質問が「主張・提案」を導くものでないと、思考力は身につきません。

最初はダメダメな質問でもOK!

こんな風に説明をすると「解決する価値のある、とても凄い問いを見つけなければならない!!!」って意気込んだり、「自分にはそんな凄い問いは見つけられない……」って落ち込んだりする方がいらっしゃるんですが、誰だって最初はそうです。

この読書術は思考力を高めるためのもの。繰り返し行なっていくものです。だから最初は自分の身の丈にあった質問で大丈夫です。やっていくううちにどんどん新しい問いが浮かんでくるはずですし、そしたらどんどん問いもアップデートしていけばいいんです。

ちなみに、身の丈に合った問いを見つけるためにも、出来れば自分のビジネスに直接関わる質問の方がいいです。学んだ知識がすぐに使えるのでモチベーションも維持出来ますし、レベル感も合わせやすいので挫折も少なくなります

では、余談が長くなりましたが、次は学習する内容の決め方をご説明します!

学習する内容(ジャンル)のピックアップ〜問いを因数分解〜

では、学習する分野の決定方法を下の例で考えていきます。

日本のポストの数は何個が適切なのか?

「日本のポストの数は何個が適切なのか?」という質問は実は検討する要素があります。ポストによって影響を受ける人、「誰にとって?」という部分が抜けています。

なのでこの質問に答えるためには以下の4者について考えないといけません。

  • 郵便を利用する「個人」
  • 郵便を利用する「団体・企業」※本当は行政・企業・営利非営利等分けなければいけないのですが、ここでは省略します。
  • 「日本郵便株式会社」=「郵便局」
  • 「郵便に関わる企業」

さあ、まずは郵便を利用する「個人」については何個が適切なのかを考えていきましょう。

個人にとって最適なポストの数

「個人」にとって重要なのは「生活の便利さ」です。なので今の生活の中で「ポストの数によって生活の快適さに影響が出ているか?」を考える必要があります。それを調べるためには「一般人の郵便の利用数」「一般人の郵便の利用方法」「郵便の代替手段」等を調べる必要が出てきます。

団体・企業にとって最適なポスト数

郵便を利用する「団体・企業」への影響はどうでしょうか?そもそも企業がどのくらいポストを利用しているか調べる必要があります(今は集荷を依頼している企業も多いため)。

さらに企業が郵便を出す場合だけを考えればいいわけではありませんお客様からの返送をいただく必要がある企業にとっては「郵便を利用する個人」にとって最適なポスト数である必要があります。まだまだ掘り下げる必要がありますがとりあえず次にいきましょう。

郵便局・郵便に関わる企業

今度は郵便というサービスを提供する「郵便局」や「郵便に関わる企業」への影響を考える必要があります。

ここでは作業効率やライン編成効率、ボトルネックや働く人のLOQ等の問題を考える必要があります。だんだん例を書くのも手抜きになってきました笑

問題を因数分解

さあ、例でさんざんあげましたが、問題を解決するためにはその問題を「因数分解」する必要があります。因数分解をすることで複数の要素が絡み合った問題が一つ一つの学問のジャンルに分かれていきます。学問として確立しているものであれば、情報収集もとても簡単です。

次はいよいよ最後のステップ。具体的にどんな本を読むのかを決めていきましょう!

学習する本の選択〜重要なのは何を読まないか〜

ピックアップした要素の中から、具体的にどの本を読んでいくかを決めます。

だいたい5ジャンルを選択して、各ジャンル10冊、計50冊を1年かけて読むようなサイクルを作ると、地盤の強固な思考力が身につきます。(もちろん最初のうちはジャンル数、冊数を減らして3ヶ月スパンとかでもいいです。やり続けることが肝心。)

ジャンル選び

ジャンル選びで重要なのは、ピックアップしたジャンルの中で「何を調べないか」を決めることです。必要そうなものを選び出していくとあれもこれも必要な感じがしてきて結局うまくいきません

だからまず「何を調べないか」をはっきりさせましょう。

まず調べないのもをカットしたら、残ったものの中からジャンルを選びます。

選ぶ基準はいくつかありますが、自分のビジネスに直結しているジャンルを3つ、直結していないけど興味のあるジャンルを2つくらいに思っておいてください。

適当だと感じるかたがいらっしゃると思いますが、ここまでの工程しっかり行っていれば、よほどひどい本を読まない限りは何を選んでも大きな収穫になります

というより最高の選択は誰にもわからないですし、考えるだけで時間のムダです。方向性さえズラさなければ、あとはユルイくらいでちょうどいい。

本選び〜名著を必ず読む〜

さあ、ジャンルが決まったら、各ジャンル毎に読む本10冊を決めましょう。

10冊の内訳は

  • 入門書5冊
  • 発展書5冊

がいいです。入門書は5冊は頭の中にそのジャンルに対する思考領域を作るためのものだと考えてください。入門書を5冊も読めば発展書もなんなく読めるはずです。

そしてここでも重要なポイントがあります。必ず入門書にも発展書にも「古典・名著」と呼ばれる本を3冊ずつ入れてください。古典というのは歴史の変化の波に揉まれても生き残ってきた本なので、世の中の真理の部分を言い当てているものが多いです。

逆に残りの本はできるだけ新しいモノを読んで下さい。例えば経営といえばポーターの「競争の戦略」が有名ですが、やはり超高速に情報が行き交う現代にはあっていない部分があります

 

その部分は最新のビジネス書を読んで補いましょう。古典と最新の本を交互に読んでいるうちに、現代のビジネスの流れもより正確につかめるようになります。今だったら2018年に出たキンコン西野の「革命のファンファーレ」とかがいいんじゃないでしょうか。

 

また、最新の本と言いましたが、ここ1〜3年くらいで発刊されたものであればOKです。最新の本に関しては、最初に何を読むかも決めておく必要はありません。入門書を読んで、興味の湧いた内容や面白そうだと思う内容の部分の本をその時の気分で読んでみてください

なのでさらに読む本をまとめると………

  • 入門書古典:3冊(最初から決めておく)
  • 入門書最新:2冊(いつ選んでもOK)
  • 発展書古典:3冊(最初から決めておく)
  • 発展書古典:2冊(いつ選んでもOK)

ということになります。

まとめ:結局は継続

ここまで長くなりましたが、結局一番大切なのは続けるということです。途中でやめてしまったらなんにも意味がない。なのでロードマップも最初はしっかり計画するけど、途中途中でユルイところを設けています。しっかりと続けられる読書をしてください。

また、読書をした後に常に最初の「問い」の答えを考えるようにしてください。身につけた知識を考察に使う訓練にもなりますし、その途中の思考の中からもっと重要な「問い」が生まれることもあります。

もし自分が答えるべきもっと重要な「問い」が見つかれば、迷わずにロードマップをその「問い」から新しく作り直してください。そのほうが遥かに思考力が身につきますし、案外最初の計画も随所に生きてきて無駄にならずにすみます。

皆さんの頭が思考力で溢れますように!!

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