【開催レポ】起業茶屋® KNOW HOW 北千住「AIは、間違えるようにできている」260822

 

こんにちは! 阿見町議会議員/NPO法人地域知見LIVE理事長の 筧田 聡 です♪

2026年8月22日(土)、北千住のコワーキングスペース「KNOW HOW 北千住」で、起業茶屋®のAI回を開催しました! 足元の悪い中、お集まりいただいた皆さまに感謝です✨

今回は10名。私と共催の原田さんを入れて、12名でテーブルを囲みました。

飲み物はワイン・シードル・梅酒を皆さんに持ち寄っていただいて。雨の合間を縫って食べ物を買いに走った思い出は忘れません(笑)

テーマが「AI」となると、いつもの茶屋とは少し空気が違いました。

この日の話題は、AIの間違いにどう気づくか、チラシ制作の詰まりどころ、「どう指示されたいですか」とAIに聞く発想、そして成果物の責任は誰が負うのか、まで。

当日のやり取りを、ほぼそのままの空気でお届けします!

30秒PR ── 今日の顔ぶれ

筧田:起業茶屋®は、9月に10周年を迎えます。特別な準備はしていないんですが、10年間生き残った事業をいくつか取り上げて、書籍にできたらいいなと思っています。

それでは、恒例の30秒PRを行います。順番に自己紹介をしてください。

参加者:都内、台東区に住んでいます。今メインでやっているのは金の取り扱いですが、それとは別に、地元で観光業を始めようと思っています。よくある観光ではなく、ローカルの生活そのものをツアーにして、訪日客向けに提供したい。それに使うチラシ作りなどでAIを活用したいと思い、参加しました。

参加者:AIに強い方と関係者もつなげられたらと思っています。どのような方が求められているのかを知るために、参加させていただきました。

原田氏:ここKNOW HOW 北千住の店長です。本職は映像制作とグラフィックデザインです。AIは普段の業務でかなり使っていて、中心はClaude Code、サブでChatGPT。画像生成ではHiggsfieldのように複数の生成AIを使えるプラットフォームを利用しています。ほかにも10、20種類ほどあり、それぞれを使い分けながら模索しています。業務の基幹システムはClaudeという感じです。AIを使っていない方からも、なぜ使っていないのか、何が難しいのかなど、自分の業種以外の話も聞けたらと思っています。

参加者:資料などを作る時にAIを使っていますが、もっと違う使い方もあるのではないかと思い、勉強のために参加しました。

参加者:茨城県南から来ました。医療・介護・障害と健康ビジネスに特化したIT支援をしています。

参加者:エンジニアです。AIを使っていますが、自分自身、大工仕事や庭仕事、動物の飼育、映像なども好きでいろいろやっています。

参加者:出版社で営業とディレクションをしています。観光にすごく興味があって、日頃から自分でツアーを組んでいます。ワイナリー巡りは長年続けていて、秋になったら箱根に何週も続けて行ったり、京都なども案内したりします。自分でカスタマイズしたベストコースへ人をご案内して、喜んでもらうのが大好きです。

筧田:今日は、まずこのメンバーで始めたいと思います。本日のAI会は原田さんから始まったものなので、では原田さんから。今日はこんな話をしたい、というのがあると言っていたので。

原田氏:いろいろな会社へ行くと、「AIは全然使っていない」という人もいれば、「だんだん進んでいます」という会社もあります。自分と違う業種でどう使われているのか、実際の職場でどのように使われているのかを聞きたかったんです。皆さんのモチベーションや取り組みが、どのくらい社会実装につながっているのかも知りたいと思いました。

AIは、間違えるようにできている

筧田:実際、AIをどんな感じで使っていますか?

参加者:開発もしているので、Vertex AIなどを使いつつ、必要なものは何でも使います。コードを書くのにも使っています。

参加者:日中の業務ではWebデザインにも使いますし、Gensparkも使っています。日常業務ではGeminiとChatGPTを使い分けています。100人カイギのプレゼン資料にも使いました。

参加者:私はClaudeを中心に使っています。サブでGeminiとChatGPTを使い、画像生成や動画制作も実験的にやっています。映像生成ではSeedanceやMiniMax H3などを使っていて、同時に10本ぐらいキューを入れて、かなり回しています。今のところ商用化はしていません。

参加者:僕はメインがGeminiです。Google CloudでVertex AIなどを使った製品を作る時は、ほぼGeminiを使います。ただ、あまり信じてはいません。

筧田:出力を信じていない、ということですか?

参加者:Gemini自体がGoogleの製品で、Google CloudもGoogleの製品じゃないですか。それでも、Google Cloudに対するGeminiの知識が、2025年の何月かで止まっていたりするんです。嘘じゃないんですよ。本人は本当だと思って、「このバージョンがですね」と言ってくる。でも、こちらは見たことがない。だから、あくまで僕の知識と公式ドキュメントをベースにして、「僕の指示どおりに作ってね」という使い方しかしていません。

原田氏:それはすごくあります。動画生成やAI Studioについて、「それは何ですか?」とGeminiに聞かれたことがありますからね。「お前のところの製品だろう」と(笑)。学習期間が止まっている影響はありますよね。

筧田:原田さんは、実際に使っていて「これは駄目だな」と感じたことはありますか?

原田氏:提案書や契約書をClaudeで作っていますが、結構間違いがあります。会社のホームページを読み込ませて契約書を作っているのに、「東証一部上場の何とか」と書いてくる。上場していないんですけどね。基本的には二つのAIに読み込ませて、間違いを見つけています。

筧田:ご自身で使っていて、間違いにどう気づくようにしていますか? 本職だから、引っかかるとまずいものもありますよね。

参加者:経験もありますが、そもそも皆さん勘違いしていて、AIは間違えるようにできています。だから疑ってかかります。モデルによってはWeb検索ができません。基本的には検索させ、出典を出させた方がいい。自分が分からないことなら、なおさら引っかかって止まりやすくなります。

筧田:僕はClaudeを拠点にして、基本的にはほかへ外注させています。Claudeは取りまとめだけを担当させる。その方がハルシネーションを減らせると思っています。

参加者:僕にとってAIは、中心に僕がいて、僕が考えたことを出力させるためだけのツールです。それ以上を任せて油断すると、どこかでやられると思っています。

参加者:今作っているものも、いろいろなサービスが組み合わさっています。そのうち一つでも、僕が確認しないうちに落ちて、作り直しもできないとなったら終わりです。責任はAIに押しつけられません。

気持ちを吐き出したら、進む道が出てきた

筧田:先ほどチラシ作りにAIを使いたいとおっしゃっていましたが、実際に使っていますか?

参加者:初心者的な使い方ですが、ChatGPTに課金したのはここ数か月です。去年の初めごろから、ビジネスに使う前段階として、気持ちや思考を整理するために半年ほど使いました。

その結果、自分の過去の経験、思い、体験、人脈を考えると、地元で観光業をやろうという答えが出てきました。それを形にするため、マーケティングを教えるビジネススクールに1年間入りました。そこで学びながらも、私はリアルを中心にして、必要な部分にAIをちょこちょこ使おうかなと。それが今の現状です。

筧田:思考の整理には、どう使いましたか?

参加者:今思っていることや感情を全部吐き出すと、すごく整理されます。「こういう時にイライラする」「すごく落ち込んでいるけど、どうすればいいだろう」といった、自己分析の壁打ちです。

そうした内容を3か月ほど蓄積していくと、「あなたなら、これからこういうことをやってはどうですか」と提案されるようになりました。観光業をやろうと思ったのも、その分析を踏まえています。皆さんには分かりやすく観光業と言っていますが、行き先は雇用創出だと思っています。

筧田:原田さんも、壁打ちで使っていますよね。「こういうところがむかつく」みたいな。

原田氏:何回キレたか分からないです(笑)

筧田:自己分析に使ったことがある方はいますか? ……4人ぐらいですね。逆に、全然使ったことがない方は。

参加者:しょっちゅう使います。

参加者:僕は開発ツールとして使うイメージが強いです。技術でも法律でも、自分が知らないことを代わりに調べてもらう使い方が一番多いですね。

AIを詰めると、性能が落ちる

参加者:私は感情面の話が多いので、同じことを何度も分析してしまいます。そこで、「今回10回目なので、重要なことではないと判断して議題に上げません」と処理するような仕組みにしています。内容はMarkdown形式で、AIが読める日記のような形で残しています。

参加者:ただ、感情的な内容に引っ張られて、AIの性能が落ちることがあります。ChatGPTなどは基本的にユーザー優先に作られていて、ユーザーが絶対正義なんです。ユーザーが疲れているなら、疲れさせない方向へ行き、あまり出力を出さないようにしたり、タスクを少なくしたりする。

だから怒ったり弱音を吐き続けたりすると、性能が落ちることがある。**AIを詰めてはいけない。**よく言われるのは、逆効果だからです。エンジニアの間ではよく言われています。

参加者:Gemini、Claude、ChatGPTにはメモリ機能があります。表に見えるメモリは短い文章で書かれ、自分で調整できますが、裏側でも「この人はこういうことを言ってくるから気をつけよう」といった情報を持っているように見えます。

参加者:私は去年の秋ごろから感情的な相談を長く続けていたら、反応がすごく遅くなりました。それで別のチャットにしたら、今度は全然反映されなくなってしまって。1か月ぐらいやめて戻ったら性能が良くなっていて、ほかのチャットからも文脈を引っ張ってくるようになりました。「えっ、どこから引っ張ってくるの」と(笑)

参加者:ただし、会話が長くなると読み込み方がおかしくなり、精度が落ちます。以前は「圧縮」といって、最初の会話を大きく要約していました。何をやったかは覚えていても、細かいことは覚えていなくて、人名やファイルの場所を忘れ、「ファイルが探せません」と言い始めることがあります。

人前で話すなら、裏を取る

参加者:私はいろいろな場所で講演するので、講演資料や内容をChatGPTで作っています。「医師として意見を出して」「弁護士の立場で考えて」と役割を与えると、それぞれの観点を出してくれるので、サブとして使いやすいです。

イベントもよく企画するので、チラシや広告もChatGPTで作ります。ただ、修正を重ねると性能が落ち、直したはずのところが元に戻ったり、別の部分が間違ったりします。皆さんがどう解決しているのかを聞きたいと思って来ました。

筧田:医療情報や専門知識は、嘘が混じる可能性もあり、検証が難しいですよね。どう確認していますか?

参加者:**基本的には二つ以上の方法で調べます。AI以外でも確認し、裏を取ります。**人前で話す時は、自分の感覚だけでは言えないので、第三者が確認できる根拠を探します。「ここから引用しました」と言えるようにします。必要なら専門書を探して買います。

一方で、会社同士をつなぐ前に「どんな会社だろう」と概要を調べる程度なら、ChatGPTで十分な場合もあります。用途によって、検証の深さを変えています。

筧田:医療や法律に関する話では、Google AI Studioも使っています。通常のChatGPTやGeminiが回答しにくい法律や医学の話でも、設定によって回答範囲を調整しやすい面があるんです。

参加者:もちろん限界はあります。AI Studioは、仕事で使うVertex AIのライト版と考えると分かりやすいです。プロトタイプを作る時、Vertex AIを使わず、AI StudioでAPIキーを発行して代用することがあります。

チラシは「ざっくり出させて、自分で直す」

参加者:今は、とにかくチラシをたくさん作らなければなりません。2時間ぐらいで次々と作る必要があります。修正を重ねると、直した箇所が元の状態へ戻ることがあって。ChatGPTは写真や画像があまり得意ではないので、画像に強い別の機能やサービスがあれば知りたいです。

筧田:画像については、私は観光ガイドの制作で使っています。まず全体を出力させ、部分ごとに切り分けて精度を上げる。同時に扱える文字数にも限界がありますから、全体の基本形を覚えさせ、細部を修正していく形でウォーキングガイドを作りました。

参加者:画像生成は、画像専門のサービスを使った方が楽な場合があります。最近はマウスで場所を指定して、「ここだけ直して」と修正できるものもあります。ChatGPTを含む複数のモデルを一つのサービス内で使える、画像専門のサービスもあります。日本語でも大丈夫です。

参加者:私は動画編集、チラシ制作、話した内容の要約、人へ渡す資料の編集などをやらなければなりません。もともと得意ではないのに必要になり、頑張ってやっています。すべてをがっつりやったら身が持ちません。ある程度、自動化や定型文化をして効率化したい。その棲み分けにAIを使いたいと思い、今物色中です。

筧田:チラシ作成はCanvaが使いやすいと思います。一度慣れれば、パソコンとマウスがあれば十分。基本形を作らせて、最後は自分で調整します。

参加者:たくさん数をこなしたいんです。クオリティも大切ですが、私は芸術家ではないので、分かりやすいものを数多く作りたい。

参加者:写真や地図を入れ、動画やホームページへ飛べるようにもしたいです。

参加者:その程度なら、10分ほど勉強すればできますよ。GIMPという無料ソフトもあります。難しく考えすぎているかもしれません。切り抜きや簡単な加工なら10分程度で覚えられます。基礎を知ると、AIへの指示も分かりやすくなります。

参加者:AIにいきなり完成品を出させようとすると、「少し違う」「この画像を直したい」という部分が出ます。そこでGensparkです。ある程度のチラシやデザインを作り、GoogleスライドやPowerPointへ出力できる。その後、画像や細部を自分で変更できます。

先日あるイベントのチラシを作った時も、AIの一発目のデザインは正直微妙でした(汗)。でも、盛り込みたい内容は入っていたんですよ。そこから、写真やタイトルを自分で差し替えて作り直しました。

**一度ざっくりした案を提案してもらい、その後に自分で細かく直す。**そうすると、自分が何を物足りないと思っているのかも視覚化できます。

参加者:逆だったんですね。私は自分の案を細かく投げて、そのまま完成させようとしていました。ざっくり出してもらって、自分で最終編集する方がいいんですね。今の話で答えが出ました!

──これは効きました。完成品を一発で求めない、という切り替えです♪

「どう指示されたいですか」と、AIに聞く

参加者:結局、ChatGPTのどこが駄目なのかを、自分が言葉にできていないのかもしれません。指示が伝わらないから混乱するのかなと思います。

参加者:ChatGPTの課題解決力は高いです。「ChatGPTが悪い」と考えてしまうと、ほかのAIへ移っても同じです。AIは自分たちが思っている以上に優秀だという前提で使う。望んだ結果が返ってこなかったら、まず自分の伝え方がおかしいと考えます。

参加者:その指示の仕方を学びたいです。

筧田:指示の作り方自体もAIに聞けますよ。中間の「チラシを作る」という作業だけを頼むのではなく、「私はこういう仕事の仕方をしたい」「チラシを作るたびに、手で配置を直す作業をやめたい」という**最終ゴールを伝える。**その上で、「このゴールまでの道筋を考えて」と聞きます。

参加者:それは聞いたことがありませんでした。「どういうふうに指示されたいのか」をAIに聞けばいいんですね!

──ここ、会場の空気が少し変わりました。AIに「正解を出して」と頼む前に、AIが動きやすい頼み方の方を聞いてしまう。

筧田:あとは、一度出させたものに対して、「批判的思考で見てください」「問題点や修正点を指摘してください」と頼む方法があります。

参加者:それはよく使います。「批判的思考」という言葉は強いと思っています。褒められてばかりでは、私は気分が良くても意味がありません。

筧田:AIは基本的にユーザーを褒め、同調するように作られています。多くの人へ普及させるには必要ですが、そのままだと、そこそこの無難なものになりやすい。批判的な意見は、明示的に求める必要があります。

前提を書いておく ── カスタム指示という考え方

参加者:今、ちょっと変わった世界観のお店を始めようと動いていて(※開業前の事業構想のため、詳細はここでは伏せます。これも気になる方は、ぜひ現場で!)。その一方で生活のための仕事もしなければならないので、AIの使い方で気になったことがあります。ChatGPTなどを使う時、皆さんはカスタム設定をしていますか?

参加者:何も設定せずに使うと、AIは100通りの答えを出そうとして、見当違いのものまで拾ってくることがあります。「私の場合はこうしてください」という前提を設定しておくと、それを基準にしてやってくれます。

参加者:ChatGPTでは、アカウント名のところから「パーソナライズ」を開くと、カスタム指示などの設定があります。メモリは会話から自動的に生成されますが、カスタム指示は自分で入力します。

──ここからは、AIを仕事の仕組みごと組み込んでいる場合の話です。少しマニアックなので、読み飛ばしてもらっても大丈夫(笑)

筧田:これは、エージェントに基礎的な指示を与える考え方ですね。私の場合はClaudeを中心に使っていて、「CLAUDE.md」というMarkdownファイルに指示を書いています。全体のフォルダーがあり、その中に「この仕組みは何をするものなのか」を書いている。さらに共通インフラのフォルダーを設けて、共通のルールや仕様書を入れています。判断する時の基準、共通処理の流れ、仕事の進め方などが書かれていて、毎回すぐ仕組み化に入れるようにしています。

カスタム指示の大規模版のようなものです。ChatGPTでも、全体のカスタム指示とは別に、プロジェクトごとの設定ができます。例えば「スペイン語で回答してください」とプロジェクトに設定しておけば、その中で開いたチャットでは毎回その指示が読み込まれます。毎回書き直す必要がありません。

参加者:便利そうですが、無料のサービスにいろいろ入れるのは少し怖いです。

参加者:そういう場合は、Gemini Notebook(旧NotebookLM)を使う方法もあります。資料やファイルを入れて、その内容を基に回答させるものです。細かい設定を自分で組まなくても使えるので、そちらの方が楽かもしれません。

参加者:分かりました。自分が持っている資料や、今使える環境を伝えて、「私の技術レベルなら、どのように扱うのがいいですか」と聞けば、自分に合う方法を見つけられそうですね。

参加者:事業が大きくなってくると、秘書のような人が必要になるかもしれません。書類を作る、情報を整理する、会議内容をまとめる、過去の会議から必要な部分を抜き出して別の資料に入れる。そういう切り貼りをする時間がなくて。私はもっと人と会ったり、事業そのものに時間を使いたいんです。人を雇うのも大変なので、AIに秘書のような役割をしてもらえたらと思っています。

参加者:今話していたように、GeminiとGemini Notebookを使うなら、専門的な仕組みを組まなくても、ある程度は実現できると思います。完全自動ではありませんが、おっしゃっている作業はできるはずです。

筧田:私は、事業、投資、観光ガイド、地域の活動、プライベートという役割を分けています。ただ、ブランディングや情報発信は共通なので、それらは上位に置いています。なるべく統合されたブランディングで全部を動かしたいからです。情報を入れると適切な役割へ振り分けられ、そこから仕事が始まる仕組みです。

月額3000円程度で、この環境は動いています。

お客さんは、AIに怒れない

筧田:「成果物を理解しなければならない」という話に関連して、私の例を出します。今度初めて実施する企画の企画書を作っているんですが、たたき台はAIで作っても、完成度を判断するには私の目が必要です。私が確認して初めて、恥ずかしくない状態で人に提案できます。

企画書として何が必要か、それを実施するにはどんな条件が必要か、相手に何を伝えるべきか。それを私が把握しているから、AIの出力を判断できる。

お客さんはAIに怒ることはできません。出した人に責任を求めます。

参加者:その通りです。「自分には分かりませんが、AIが作りました」では商売に使えません。自分が理解している範囲で使う必要があります。

参加者:僕はAIを組み込んだものを提供しているので、少し強く止める役も必要だと思っています。個人で試すだけならともかく、お金が発生するなら、誰かが真面目に確認しなければいけません。

参加者:私も仕事で使う以上、当然お金が動きます。AIは責任を取ってくれません。あいつが肉体を持ったら、一番先に喧嘩すると思っています(笑)

参加者:AIを盲信せず、中立的な距離感を持つ必要があります。

参加者:私が入力した内容について、「そのまま書くと法律に触れる可能性があるので、別の表現にします」と返され、非常にぼんやりした内容になったことがあります。それでは使えないと思いました。AIの曖昧さなんですよね。

上の人が、成果物の責任を負う時代

参加者:組織へのAI導入も大変だと思います。仕事の進め方全体をAIに合わせて変えなければならないのに、役職だけ変えたり、人を減らしたりしても、うまくいかないでしょう。

部課長クラスの中には、成果物を自分で判断する能力を十分に持っていない人もいるかもしれません。部下が完成度の高いものを出してくることで、組織が成立している場合がある。でもAI時代には、上の人が成果物の責任を負い、内容を判断しなければなりません。

原田氏:それは間違いないと思います。

参加者:知り合いの経営コンサルタントに呼ばれて、ある会社の話を聞きました。AIは導入したものの、使える人と使えない人がいる。業務自体を教える必要もあり、人数が多い組織では「AIを入れれば解決する」という状態にはなりません。それを判断できる人も不足しています。

筧田:さらに難しいのは、高い能力を持つ人がそのポストに就くと、下の人の仕事がだいぶ減る可能性があることです。そうすると、若い人が経験を積み、そのポストまで上がる機会も減ってしまう。今の30代、20代、10代は厳しいですね。すでに一定の能力や判断力を持っていないと、今から経験を積む機会自体が減るかもしれません。

参加者:子どもの文章作成でも、あらすじをAIに読み込ませ、作文を書かせる使い方があるそうです。

参加者:小学生なら、保護者や指導者が目的を考えて判断すべきでしょう。AIを使っても、人を感動させる作品が作れるならいいという考え方もあります。一方で、矛盾や不自然な部分を自分で見抜く力を育てる必要もあります。

参加者:教育の目的は、子どもの能力を高めることです。途中の思考までAIへ任せたら、その能力は育ちにくくなります。

参加者:若い人がChatGPTを相談相手として何でも頼るケースも増えています。距離感を間違えると、思考力が鍛えられません。AIへ指示を出す側として使うのか、考えること自体を任せるのかは違います。

「時間がない」の後ろにあるもの

参加者:AIに関係なく、自分のレベルを高めなければ人生は豊かになりにくいと思います。勉強は大事です。学校で学んでいなくても、自分で勉強すればいいんです。今も少しずつ学んでいます。10分でも時間があれば勉強できますから。

参加者:ただ、「時間がない」という事情を一律に否定するのは怖いと思います。家族がいて、通常の仕事を8時間した後、さらに働かなければならない人もいます。

私は運転の仕事をしているので、勉強のために睡眠を削り、事故を起こしたら終わりです。「時間がない」で片づけるのではなく、その背景を見なければいけません。「やらなければ」と自分を追い詰める前に、ChatGPTへ状況を整理してもらう使い方もあると思います。

参加者:多様な事情を考えないと、AIや効率化が人を追い詰める道具にもなります。「この仕事はAIに任せるから、あなたは要らない」と言えば、その人の生活を追い詰めます。では、その人が別の役割を担い、収入を上げるにはどうすればいいのか、という視点も必要です。

ラストワンマイルが、抜けている

参加者:私たちは、医療、介護、障害分野の会社に向けてIT支援をしています。最近、お客さまから、音声を録って議事録にするAIについて相談を受けました。そういうサービスは世の中にたくさんあり、無料のものもあります。それでも現場では使えないと言われます。

専用端末を買うお金がない、月額料金が高い、専門用語の認識が難しいなど、理由はいろいろあります。そこで今、現場の人がいつもの道具のまま使える形のサービスを作っているんです。

※未リリースの事業のため、仕組みの詳細はここでは伏せます。気になる方は、ぜひ現場で!

技術的には一般のアプリ会社でも作れますが、**現場で実際に使えるところまで届ける「ラストワンマイル」**が欠けていることが多いんです。やりたいことはある、時間がない、でもどこから手を付ければいいか分からない。AIの分野は、特にそういう人が多いと感じます。

筧田:私のコンサルティングも、今かなり自動化しています。Google Meetで会議をすると、終了後に文字起こしが自動生成される。それがクラウド上に保存されるとClaudeが動き始め、議事録だけでなく、翌週のコンサルティングの準備まで作ってくれます(※録音・文字起こしの利用は、お客さまに許可をいただいています)。

そのため、会議後はAIが概ね自動で一気に情報収集と整理を行い、判断が必要なこと以外は整えた状態で次のコンサルティングに入れる。もちろん、誰でも同じツールや環境を使えるとは限りません。ただ、少し知識を身に付け、相談しながら組み立てれば、自動化できる範囲は広がります。

原田氏:**今は多くの人が、ほぼ同じスタートラインにいるとも言えます。**みんな「できない」と言っている段階ですから。

この日のこぼれ話 ── AIが使う「水」

雑談で、こんな話も出ました。

参加者:この頃は浸水とかいろいろあって怖いですよね。電車が止まったら嫌だなと思って。

参加者:昨日、埼玉も大雨でしたね。かと思えば、今日たまたまテレビを見ていたら、ダムの水がなくなって大変だと。

参加者:関西の方は渇水なんですよね。結局データセンターは電力も水も使うので、水はすごく大事ですよね。

大雨と渇水が同じ日のニュースに並んでいて、その先にデータセンターの話がつながる。AIの話をしていたはずが、いつのまにか水の話になっていました。こういう飛び方をするのが、茶屋の面白いところです♪

おわりに

筧田:残り3分になりました。今回の話を聞いて、普段の起業茶屋®が、いかに会話しやすいかがよく分かりました。AIの話は専門用語が多く、情報量も増えます。まだ共通知識が少ないので、省略せず説明しなければなりません。普段の起業茶屋®では、もっとテンポよく話が進む。それは皆さんに共通知識があり、省略できるからです。AIは、まだ話すこと自体が難しいテーマなのだと思いました。

参加者:僕は、危ないところだけ止められれば、あとは好きに試せばいいと思っています。高度な自動化を個人で組める人ばかりが集まったら、会話は楽でも、この場としてはつまらないかもしれません。それでは、こういう会を開く意味が薄くなります。

──この後、第2部の「KNOW HOW LOUNGE -AI Table-」へ。夜まで、たっぷり話し込みました!

会場を提供してくださったKNOW HOW 北千住の原田さん、本当にありがとうございました✨ 1部から2部まで、長い時間おつき合いいただいた皆さまにも感謝です。

参加者の感想

【1】「起業茶屋®ならでは」と感じた良いところ・続けてほしいこと

● 昨日は初めてお会いする方がほとんどでしたが、活発に情報交換ができとても有意義な時間でした。このような機会をいただき感謝致します。ワインも喜んでいただけたようで嬉しいです。また参加させてください😊(50代・女性)

● 皆さん、年齢も職業もさまざまで、AIに関する知識や活用経験にも違いがありましたが、それぞれの立場から多様な意見を聞くことができ、AIとの向き合い方を改めて考える有意義な時間となりました。(女性)

【2】記憶に残ったこと・役立ったこと・率直な感想

● 私もそこまで使いこなせてないので、勉強が足りないなと感じました!(40代・男性)

● 生活が便利になる一方で、何でもAIに答えを求めることで、自分で考えない子どもが増えるのではないか。また「ゆとり世代」のように、AI時代ならではの新たな世代が生まれるのではないかという疑問を持ちました。(女性)

● 技術に詳しい人同士で、どんどん高い話をしていると、詳しくない人たちの感覚が見えなくなるのも分かりました。(当日の振返りタイムより)

【3】今後へのポジティブなご要望

● もくもくベースとか、そっちの方も組み込んで、学びベースにふりたいですね。(共催・原田氏)

● 今後もテーマを絞った勉強会を開催していただきたいと思っております☺(50代・女性)

(アンケートは回収中。届き次第、追記します♪)

筧田より

美味しいワインの差し入れ、皆さんの空気を一気に温めてくれました。ありがとうございました!

「勉強が足りない」と感じたあなた、大丈夫です。本編にもあったとおり、今は多くの人が、ほぼ同じスタートラインにいます。分からないことを分からないと言える場が、ここにあります。

「AIに答えを求めることで、自分で考えない子どもが増えるのでは」——重い問いをいただきました。便利さが増すほど、問いを立てる側の力が試される。もし「AI世代」という言葉が生まれるとしたら、道具に使われた世代ではなく、道具を前提に考え方を組み替えた世代であってほしいと思います。

そして「詳しい人の話が、詳しくない人に見えなくなる」という気づきは、今回の一番の収穫でした。次回は、手を動かす時間も組み込んだ形を原田さんと構想中です。テーマを絞った回のご要望も承りました。お楽しみに♪


「AIを使いこなしている人の発表会」ではなく、任せてみて手作業に戻した判断、踏み切れていないことを持ち寄る。今回もそこが一番おいしいところでした。挑戦する方も、会場を貸してくださる方も、いつでも歓迎です!

p.s. 「この人、起業茶屋®に合いそうだな」という方がいたら、ぜひご紹介ください♪ 次はあなたの隣の席かもしれません。

起業茶屋®の筧田 聡でした!

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ABOUT US
筧田(かけひだ)
【 “いいものだらけ”の世の中へ。】を理念に、高校の同級生と共に、株式会社Key-Performance を創業し、代表取締役を務める。 「魅力的な起業家の集まりが地元にない!!」ことから、起業茶屋® を立ち上げ、5年で2000名を集客する。 現在は、人間観察サロン™、起業の作戦会議室™に力を入れている。