ネットワークビジネスが嫌われる理由|断りづらさを使うから

勧誘の構造/ネットワークビジネスが嫌われる理由/断りづらさを使うから ファミレスの席で身を乗り出して話す人と困ったように笑って聞く人のイラスト

 

どうもこんにちは!
起業茶屋®主催の 筧田かけひだ 聡さとし です。

先日、ネットワークビジネスをしている方から「スキルアップのために、アンチの人の意見を聞いてみたい。嫌いな理由を教えてもらえませんか」と頼まれました。

正直に答えました。今日は、そのとき返した答えを少し掘り下げてみます。

先に結論です。嫌われているのは商品ではなく、断りづらさを使う誘い方です。

 

嫌なのは仕組みでなく、誘い方

私は、ネットワークビジネス(MLM)という仕組みや、扱われている商品そのものを嫌っているわけではありません。苦手なのは、誘い方です。

「久しぶりに会おうよ」。懐かしい名前からの連絡に、少しうれしくなって出かけていく。ファミレスの席に着いて、飲み物が届いたころ、話が商品と「仕組み」に変わる。

この瞬間、こちらが断る相手は商品ではなくなります。断るのは、目の前の人との関係そのものです。

しかも、断るのが苦手な人は少なくありません。旧友や仲間との間では、「いりません」の一言が、関係を壊す一言に聞こえてしまう。その重さを、誘われた側だけが背負うことになります。断るのが苦手な人ほど逃げられない。その形を、私はずるいと感じます。

そして何より引っかかるのは、嫌がられると分かっているはずのこの誘い方が、当然のこととして繰り返されていることです。

これはネットワークビジネスに限りません。誘う中身が商品でも信仰でも、目的を伏せて関係に乗せる誘い方なら、断る重さは同じように相手へのしかかります。

 

あの熱は、聞き手に向いていない

もう一つ、どうしても苦手なものがあります。話している時の熱です。

こちらの相づちも表情も確かめないまま、話が続く。その目は、私には瞳孔が開いているように見えました。長い話は、考える余白と、断るタイミングを少しずつ消していきます。

あの熱は、聞き手である私に向いていないように見えます。人に勧めるうちに、勧めた本人の確信がさらに強まっていくことがあります。私の見立てでは、あの熱は相手を動かすためというより、自分の確信を保つために出ているのだと思います。だから、聞き手の顔が見えなくなるのでしょう。

その人の性格というより、そうさせる仕組みの中にいるのだと、私は受け止めています。

 

広告の代わりに、信頼が使われている

「広告にお金をかけない分、紹介した人へ報酬を払っている」。そう説明されたことがあります。お金の流れとしては、筋が通っています。

では、広告の代わりに何が使われているのでしょうか。紹介した人と、紹介された人の間にある信頼です。

良い商品でも、知らない人に届けるには広告や説明の手間がかかります。普通の商売は、その手間を自分で払います。この誘い方は、その手間を人間関係に払わせている。広告の代わりに使われているのは、あなたの信頼です。

ちなみに、目的を伏せたまま勧誘に入るのは、法律のルールにも反します。特定商取引法は、ネットワークビジネス(法律の言葉では連鎖販売取引)の勧誘をするなら、その前に、氏名、勧誘が目的であること、商品の種類を相手に明らかにするよう定めています(第33条の2)。

 

「断っていい」と書いていない場は、いつか誰かの営業所になる

ここからは、場を預かる側の話です。

私は、起業や自分の事業を前に進めたい人が集まる起業茶屋®を主催しています。人が集まる場には、どうしても「呼び込みたい人」も来ます。

だから告知には、毎回この1行を書いています。

「MLM・宗教等の勧誘目的でのご参加は軽やかにお断り!」

丁寧に伝えるときのために、「自分の商品サービスでないものを参加者に紹介し始めたり、他者が作った仕組みに呼び込む方がおられます」と理由まで書いた文面も用意しています。また、話は「ひと続き30秒まで」と区切っています。長い話で、誰かの判断の余白を削らせないためです。

そして、止めるのは主催者の役目と決めています。断る重さを、参加者ひとりに背負わせないためです。

「断っていい」と書いていない場は、いつか誰かの営業所になりかねません。

 

誘う側に回るなら、断りやすさを差し出す

誘う側に回るときも、考え方は同じです。最初の一言で、目的を明かす。一度「いいです」と言われたら、引く。

断りやすい誘い方をする人ほど、信用されます。頼み方の作法は「「検討します」に嫌悪感を抱くあなたへ」にも書きました。

冒頭の方への答えも、最後はこの話で締めました。勧める技術を磨くより、相手が断りやすい形を先に差し出す。それが誘う側にとって一番のスキルアップだと、私は考えています。

場を預かっている方は、次の告知に「勧誘はお断りしています」と1行だけ足してみてください。

あなたの場の告知には、「断っていい」が書いてありますか?

ご意見・激励等ございましたら、気兼ねなくおっしゃってください!

ご覧いただきありがとうございました。
起業茶屋®の筧田がお送りしました。

 

参考資料

 

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筧田 聡
起業茶屋®を2016年から主催し、10年で300回。起業の相談を聞き続けてきた場で見えた判断の型を、惜しみなくお渡しします。起業前は最初の1件が売れるまで「起業の相方™」、起業後は売れ続けるまで「起業の作戦会議室™」で一緒に進めます。まずは無料45分から。こう見えて、阿見町議会議員。